ペディグリーペット詐欺は、例えば血統書付きの犬という対象をネコに代えることもできるし、骨董品であっても、カブトムシであっても良い。要は、騙される者が、詐欺に用いられる対象物につき無知であり、かつ強欲であれば、この詐欺は成立するのである。
巧妙に仕組まれた不動産詐欺
以前、ペディグリーペット詐欺の応用とも思われる不動産詐欺を目の当たりにしたことがある。その内容はこうである。
Aさんは、以前から土地を借りてその上に小さなアパートを建てて暮らしていた。昔から借りていたので、土地の賃料はかなり低い状態にあった。
そのため、地主としてはAさんに貸し続けてわずかばかりの賃料をもらうよりかは、底地をAさんに買って欲しいと思っていた。そこで、地主は知り合いのB さんを通じてAさんに底地を買い取って欲しい旨の打診を行った。
B さんはAさんに、
「この土地は更地であれば5,000万円以上は確実に値が付く。しかし、あなたが建物を建てて土地を借りているため、他人に売ることができない。地主は、資金繰りの問題ですぐにでもお金が必要な状態となり、この土地をあなたに2,000万円で売りたいと考えているんだ」
と告げた。
AさんはB さんの人柄を信用していなかったため、騙されるのではないかと思い、買い取りの話を断るとともに、以上のすべての経緯をCさんに相談した。そして、AさんはCさんに、
「実はアパートは経営が傾いており、近いうちに取り壊す予定なのです。ですから、アパートの底地を買い取るという話は、私にとってメリットがあると思うのですが、如何せんB さんが信用できないのですよ」
と打ち明けたのである。
その話を聞いたCさんは、Aさんの代わりにB さんと交渉を行うことを提案し、B さんから事情を詳しく聞いた。B さんは、
「近隣相場を調べてみれば、この話がどんなに得な話か分かる。そして、地主の資金繰りの問題も急を要する話なので、3日以内に結論を出して欲しい」と告げた。
B さんとの面談の後、Cさんが自ら不動産の価格について調べたところ、確かに同じ面積の近隣の土地には5,000万円以上の値が付いていた。
Cさんは、みすみすこの儲け話をフイにすることはできないと思い、Aさんに「私が2,000万円でこの土地を買い取りますよ。そして、アパート経営をやめるときには私に連絡してくださいね」と話し、自らの住宅資金として蓄えていたお金をつぎ込み、B さんを通じて地主から2,000万円で底地を購入した。















