日本破綻に関するまとめ
1月27日、S&Pが日本の格付けをAAからAA-へ引き下げました。それと共に再び日本が破綻すると騒がれ始めました。しかし日本の破綻に関して、市場は大きな誤解をしていると考えられます。
日本が破綻するという意見に関して、まず3つの論点をまとめてみました。
その1「拡大するソブリンCDSに対する誤解」
年末に日本のソブリンCDSが拡大していると新聞で報道されました。これはどのような意味を持つでしょうか?
ソブリンCDSは、市場で折り込まれている日本国債のデフォルト確率を与えてくれます。これはギリシャ、アイルランド、ポルトガルなどと同様なので、そういう意味では日本が破たんするという見通しを持っている投資家が増えていることを示しています。
「ソブリンCDSが拡大すると日本の長期金利が上昇する」という報道があります。実はこれは大きな間違いなのですが、プロの中でも誤解している人をたくさん見かけます。
以前の連載で説明したように、日本のソブリンCDSはUSドル建てで取引されています。正確に言えば、「日本国債がデフォルトした場合、100ドルに対し25ドル弁済する契約」に対し支払う手数料なので、確かに日本国債がデフォルトする確率を計算することはできます。

しかし、円建ての日本国債を持つ人が国債価格の下落のヘッジに使用する場合、100円の日本国債が何円になるかという回収率とその時のドル円の為替レートが必要になり、はっきりとした「裁定」の関係が成り立たないため、ソブリンCDSが拡大しても日本の長期金利が上昇するとは限りません。たとえソブリンCDSが示す日本国債のデフォルト確率が90%に上昇しても、100円の日本国債に対し100円弁済されるなら国債の価格は変わりませんし、長期金利も変わりません。また、現在1ドル85円の為替レートが日本国債がデフォルトした瞬間1ドル1000円になるとすると、いったい日本のソブリンCDSの価値はいくらになるでしょうか?このような想定がある程度正しく可能な場合のみ、USドル建てのソブリンCDSと円建て日本国債の長期金利は連動します。
ギリシャやアイルランドの場合、ギリシャとアイルランドのソブリンCDSを比較することができます。同様にユーロという同一通貨の上で取引されるそれぞれの国の国債の金利も比較することが出来ます。これらの国の国債の金利は、デフォルト時の為替レートと回収率にある程度の想定が可能であるため、ソブリンCDSと国債の金利水準が意味を持ってきます。ドル建てのソブリンCDSと自国通貨建ての国債、この関係を正しく理解する必要があります。
その2「日本の政治に対する誤解」
日本の破たんが叫ばれるようになったのは、もちろん巨額の財政赤字が原因です。諸悪の根源のように非難されている民主党ですが、ふと考えてみれば、民主党は政権についてからまだ2年経っていません。
この巨額の財政赤字を作ったのは誰でしょうか?(次ページへ続く)







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