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 世界各地で起きているデモ。米国では反格差、ギリシャでは緊縮財政への不満が叫ばれている。一方の日本は、デモこそ小規模なものの、富裕層が国外脱出をはかり、米国やギリシャの二の舞になる可能性が否定できない状況だ。


世界各地で反格差デモ! 合言葉は「ウォール街を占拠せよ!」

 反格差デモが世界中に広がっている。10月初旬、「ウォール街を占拠せよ!」を合言葉に始まったデモが米国全土に広がり、わずか数週間で、欧州やアジア各国まで波及している。

 『朝日新聞』(2011.10.6付)によると、ニューヨークのデモの参加者たちは、「銀行は公的資金を受けたのに、われわれは見放されている」「戦争をやめて、お金持ちに課税しろ」などシュプレヒコールをあげた。

 デモ行進に参加した31歳の女性は、「もし、私が1セントでも盗みを働いたら警察に捕まるのに、企業は搾取しても、何のおとがめもないのはおかしい」と訴え、米国の富を独占する上位1%に対して、「われわれ99%が声を上げる時だ」と続けた。

 その動きは瞬く間に世界中に拡散して、ロンドンやローマ、マドリード、そしてフランクフルトなど、各国の金融の中心地では、数千人から数万人の参加者が集まり行進した。

 参加者の中心は、10代後半から20代の若者が中心で、学生や失業者、自営業者など立場はさまざまだが、比較的学歴が高く、デモは初体験という人が多いらしい。リーマンショックから丸3年経っても、失業率が高止まりして貧困層が拡大していることに、大きな不満を抱え、それが一気に噴き出したのだ。

儲け続ける富裕層と擁護する政治家 本当の「暴徒」や「反米国人」は誰か?

 オバマ大統領は早速、記者会見で「米国民のいらだちの表れ」と述べて、デモの参加者たちに理解を示した。

 一方で、保守派のメディアや政治家たちは批判的な見方をしている。ウォールストリートジャーナル紙は社説で、「ウォール街をはじめ、何にでも怒りをぶつける、ろくでなしの連中」とこき下ろし、「特に目的を持たないようだ」と断定した。

 野党共和党の院内総務のカンター議員は、彼らは「暴徒」で、「米国人同士の対立を煽るもの」として非難している。同じく共和党の大統領候補たちも、「反米国人」(ケイン候補)、「階級闘争を仕掛けている」(ロムニー候補)として、支持基盤である富裕層を意識してか、ヒステリックな反応が広がっている。

 それに対して、プリンストン大学のクルーグマン教授は、ニュートークタイムズ紙でこう反論した。

ウォール街のヒーローたちは、複雑な金融商品を売り歩くことで大金持ちになったが、米国内の人びとに利益を分配するどころか、危機に陥れた。にもかかわらず、何の代償も払わないどころか、中所得者よりも税の負担率が軽いという抜け穴から、さらに儲けている。その不満の声を抑圧しようとする人たちこそ、本当の「悪者」で、「反米国人」である。

 メディアも政治家も耳を傾けない、貧困層の声は誰が受け止めてくれるのだろうか。米国の格差が改善される様子は、なかなか見えてこない。(次ページへ続く)



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