「新興国ファンドの父」が推奨する資産運用
年も暮れようとしている昨年12月26日、500名もの個人投資家が六本木アカデミーヒルズに訪れ会場を埋め尽くした。彼らの目的はひとつ――マーク・モビアス氏の講演(主催:イニシア・スター証券)を聴くことだった。
モビアス氏は日本ではあまり知られていないが、世界的に有名な凄腕ファンドマネージャーだ。中国・インド・タイ・エクアドル・ブラジルなど新興市場投資を得意としていることから「新興国ファンドの父」とも呼ばれている。
そんなモビアス氏が今回の講演で推した資産運用は、やはり新興国投資だった。
「2010年以降のキーワードは資源だ。新興国市場を通して資源株に投資することが最も効率的な投資だ」。
講演の中でそう語ったモビアス氏。すでに日本の投資家の多くが中国やインドなどの新興国が近年大幅な成長を遂げ、金融危機からもいち早く脱した事実を知っているだろう。また2010年以降も日本や米国などの先進国に比べ、より高い成長が続いていくことも容易に予測できるはずだ。
しかし同氏はプロ中のプロ。曖昧なイメージだけでは投資判断は行わない。さまざまな資料を用いて、中・長期の観点から資源国の魅力を分析し、説明する。
まず世界の人口増加を新興国と先進国で比較。1950年から現在を挟み、2050年までの将来人口推計を示したグラフを例に成長を予測した。

現在、全世界の人口は60億人だが、2050年には90億人に達すると予測されており、これが資源価格や新興国の株価にとって大きな影響力を与えるという。「emerging Markets(エマージング・マーケット)」と呼ばれる新興国と、先進国の人口比率は、84%と16%。政治経済において先進国の役割が大きいため、先進国の活動が目立つが、圧倒的に人口は新興国の方が多く、今後経済成長とともに彼らの存在感が高まってくることは明らかだ。
もちろん人口の伸びも新興国の方が大きい。2050年までに先進国が1.0%強の伸びに対して、新興国は右肩上がりで20年には6%、30年には7%、50年には8%近くに達する。
日本では高齢化社会の到来が始まっており、人口に占める20歳以下の割合は2割程度だが、パキスタンは60%、バングラデシュやインドも50%超だ。高度成長期の日本のように労働力人口は年々増していく過程にある。

資源株に投資せよ
まわりくどい説明になったが、モビアス氏が言いたいのは、人口の増加は、原油や天然ガス、鉱物などの天然資源(Natural Resource)の需要増を引き起こし、米や小麦、大豆など穀物の消費量も増加させるということだ。そしてこれは資源を扱う企業の価値が高まり、資源株が上昇することを意味する。(次ページへ続く)







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