総務省の地上デジタル放送向け受信機無償配布事業を請け負うNTTエムイーは6日、経済的な理由から地上デジタル放送を受信できない世帯を対象にした専用チューナーの申し込み件数が、今年度8月末までに約31万件だったことを明らかにした。2010年度予算で124万件分を確保していたが、現時点での申し込みは約4分の1だという。
総務省は、2011年度予算では約62億円を要求し、市町村民税の非課税世帯にも対象を広げる方針で、地デジ化移行全体では340億円の概算要求が行われている。
今年度までは、経済的な理由で地上デジタルテレビ放送を見ることができない世帯として、日本放送協会(NHK)の受信料が全額免除となる世帯に支援を行っている。NHKの放送受信料が全額免除となる世帯は、(1)生活保護などの公的扶助を受けている世帯、(2)障がい者がいる世帯でかつ世帯全員が市町村民税非課税措置を受けている世帯、(3)社会福祉事業施設に入所されていて、自らテレビを持ち込んでいる世帯が対象となっている。
一方、地デジ化専用チューナーは、昨年までは1万円前後だったものが、今年に入って価格が低下し、5000円前後で販売されている。
今年3月の総務省の調査によると、対応受信機の世帯普及率は83.8%とされていた。この内、年収が200万円以上の世帯における世帯普及率は8割を超えているが、年収が200万円未満の世帯における世帯普及率は67.5%と低い傾向にあったという。このような背景もあり、今後の対象拡大につながったとみられる。
しかし、生活保護と国民年金の支給額が逆転している状況下で、近年増加傾向にある生活保護世帯に対して無償配布することは、税金のばら撒きともとられかねないとの見方もある。地デジ化まで1年を切ったが、根本的に解決すべき問題は山積みのようだ。
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