募金詐欺
「恵まれない子供達を助けるため署名をお願いしま~す」
私が中学生の頃の渋谷ハチ公前での出来事である。私は友人と2人で、他の友人を待っていた。そこに見知らぬ外国人が署名用紙を乗せたプレートを携えてやってきたのである。
署名用紙を覗いてみるとズラッと並んだたくさんの署名の上に、
「世界にはたくさんの恵まれない子供達がいます・・・」
というような大きな文字がある。
その外国人は、隣に座っていた私の友人に 「お願いしま~す」 と署名用紙を差し出した。友人は少しためらったが、断るのは悪いだろうと思ったのか署名に応じた。
外国人は顔一杯に笑顔を浮かべて「ありがとうございま~す」と言ってお辞儀をした。友人は、『良いことをしたなぁ』と思ったのか、その外国人に満面の笑みで応えた。
そして「それじゃあ、さようなら」と言って、友人は片手をあげて挨拶したが、その外国人は笑顔のまま佇みこう言った。
「募金もお願いしま~す」
いつの間にか署名用紙はどこかに追いやられ、外国人の両手には募金箱が掲げられていた。「恵まれない子供達を助けてくださ~い」と言って、友人に募金箱を差し出している。
友人は『チョット困ったなぁ』という表情を浮かべながら、モゾモゾ手を動かして数秒考え込んでいたが、結局財布を取り出し、募金箱に数百円を入れることになった。
その外国人は満足げにその場を立ち去り、同じように近くで待ち合わせをしている人に声をかけに向かった。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックで騙された友人
初めからこの外国人が友人に募金箱を突きつけていたならば、友人は募金などしなかったであろう。














