豚インフルエンザ感染の世界的拡大を受けて東京株式市場にも動きが出ている。急騰した銘柄の1つが「タミフル」の製造販売を手がける中外製薬だ。



 豚インフルエンザ感染の世界的拡大を受けて、日本政府も27日に「当面の政府対処方針」をまとめ「我が国としても警戒を強化すべき事態」と認定し、水際対策の強化、ワクチン製造の検討などを盛り込んだ。

 日本国内への感染拡大も心配されるが、河村官房長官は同日の記者会見で「現時点では一切(感染者がいるという)報告を受けていない」と述べており、まだ感染は確認されていない。だがすでに感染が確認されているメキシコや米国での死者数の増加や、他国への感染拡大の報道が流れるにつれ国民の不安は高まっている。

 これに反応したのが東京株式市場だ。27日の株式市場では、豚インフルエンザが世界的に流行する可能性があるとして、世界保健機関(WHO)が各国に警戒を促したニュースを受けて、エイチ・アイ・エスや近畿日本ツーリストなど旅行会社株が売られた。海外旅行をキャンセルする人が出ていることと、今後の感染拡大を懸念した動きだが、定額給付金の需要増に沸いていた旅行業界にとっては予期せぬ悪材料が発生してしまった。

 一方で急騰した銘柄もある。その1つがインフルエンザ感染症治療薬 「タミフル」の製造販売を手がける中外製薬だ。厚労省が豚インフルエンザの治療薬として「タミフル」が効果があると報告したことで、同社株は前日日227円(14.03%)の1845円に上昇した。

 さらに「抗ウイルス不織布」など対策製品を手がけるダイワボウ、医療用マスクの日本バイリーンなども関連銘柄として物色されている。

 為替市場でも、被害の大きいメキシコペソが3%近く下落したほか、感染の疑い例が報じられた国、地域の通貨が売られており、今後、状況の変化にあわせて金融市場にも大きな動きが起こりそうだ。

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