大阪市天王寺区の不動産会社「家のはしら」の社長が10月25日、生活保護法違反の疑いで逮捕された。逮捕容疑は、昨年9月~11月に、路上などで勧誘した無職の男性2人を大阪市淀川区の自社マンションに入居させる際、家賃を生活保護の住宅扶助が支給される上限の4万2千円であると偽って申請させ、敷金など約60万円を不正受給させた疑い。容疑者を逮捕した浪速署によると、生活保護法の罰則規定を虚偽申請した本人ではなく、業者側に適用するのは今回が初めてとしている。
このように、生活困窮者を自社が保有するマンションに住まわせた上で、うその家賃を申告させ、保護費をピンハネする業者は「囲い屋」と呼ばれている。「囲い屋」は、住人に住居や食事を提供する代わりに、その費用という名目で保護費の8割近くを天引きする例もあるという。
「囲い屋」がターゲットとしているのが、公園などで生活する路上生活者だ。路上生活者に住居と食事の提供を約束すれば、保護費をピンハネしても不満が出ることは少ない。さらに、大阪市の公園などには多くの路上生活者がいるため、囲いこむ住人を獲得するのも容易だ。
その手口は、実に巧妙にできている。まず「囲い屋」は、路上生活者が多く生活する公園で、毎週決まった曜日に炊き出しを行う。無料で配るのは、おにぎりやみそ汁、うどんなど。定期的に食事を提供し続けると、飢餓感から解放されるため、ほとんどの路上生活者は警戒心を解くようになる。そこで、住居と食事を提供する話と、生活保護受給の話を持ちかける。食事という餌をまけば、囲いこむ住人を何人でも釣り上げることができるため、「囲い屋」は公園のことを「釣り堀」と呼んでいるという。
一方、大阪府議会は「囲い屋」を規制する条例を10月27日可決し、来年2月から施行する。「囲い屋」業を営む業者に、大阪府への届け出や、受給者への契約書交付、解約権の明記などを義務付ける。また食事提供などのサービス解約を理由に、生活保護受給者を住居から退去させたり、違約金を受け取ったりすることを禁じ、悪質な業者を規制していく。
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