単純に「GDPの上振れイコール株高」とはならない
16日発表の09年7-9月期の実質GDPの成長率は、1.2%(年率4.8%)だった。市場の事前予想は年率2.7%だったから、大幅な上振れだ。しかし、発表当日の日経平均は前週末比20.87円高の9791.18円、TOPIXにいたっては同6.38ポイント安の860.42ポイントだった。

さらにひどいのは新興市場だ。日経ジャスダック平均は8日続落し、東証マザーズ指数は10日続落し、昨年9月22日から10月8日までの12日続落以来の長さとなり、大証ヘラクレス指数は6日続落した。
つまり、単純に「GDPの上振れイコール株高」ということにはならないということを、デイトレーダーは覚えておく必要がある。その内容を見極めることが、これが買い材料になるのかどうかの判断の決め手になる。だから、デイトレーダーは年率換算の成長率だけに一喜一憂するという愚を犯してはならない。
株価が下落したのは、デフレの深刻化のせい
まず、今回のGDPが株式市場に最も嫌気されたポイントは、デフレの深刻化が明確になったことだと思う。2009年5月26日のコラムで指摘したが、株式市場はインフレが大好きで、デフレが大嫌いだ。今回のGDP統計は、デフレ深刻化を株式市場に再認識させるに十分な内容だった。
09年7-9月期のGDPデフレーターは、0.2%(4-6月期は0.5%)、国内需要デフレーターは、マイナス2.6%(4-6月期はマイナス1.8%)、財貨・サービスの輸出デフレーターはマイナス15.2%(4-6月期はマイナス12.3%)、財貨・サービスの輸入デフレーターはマイナス28.9%(4-6月期はマイナス25.2%)だった。
見るも無残なマイナスのオンパレードだった。とりわけ、国内需要デフレーターは51年ぶりの大幅な下落率を記録した。

なお、GDPデフレーターは、名目GDP(市場価格で評価したもの)を実質GDP(物価変動の影響を除いたもの)で割って算出する。GDPデフレーターの変化率がプラスならインフレが進んでいる、逆に、マイナスであればデフレが進んでいるとみる。
デフレが進行すると、企業の売上が減り、収益が悪化する。そうなると、雇用調整を含む人件費カットが行われ、家計所得が減る。すると、消費が悪化する。モノが売れなくなれば、企業は設備投資を控える。それでも足りなければ、再び、人件費削減等リストラを実行する。このようなデフレ・スパイラル、経済の縮小均衡が想定されることになる。当然、これは企業業績を映す鏡である株式市場の下落要因になる。
ただし、GDPが発表された16日、日経速報ニュースは、「政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると認定する方向で最終調整に入った。7~9月期の国内総生産(GDP)速報値で、国内の物価動向を示す内需デフレーターが51年ぶりの低水準にとどまったため。」と報じた。(次ページへ続く)














