先月末まで地域限定で実施された吉野家の「スタンプキャンペーン」は盛況のあまり、景品用のどんぶりの生産が追いつかない事態に発展した。
このキャンペーンは丼や定食を食べるとスタンプを1つもらえ、スタンプ10個集めると吉野家の「オリジナルどんぶり」と交換できるというもの。キャンペーン開始当初から注目を集めると、どんぶりを求めるユーザーが殺到し、景品用のどんぶりの在庫がなくなる想定外の事態となった。同社によると次にどんぶりが入荷するのは7月になり、スタンプを貯めたユーザーはそれまで待たなければならないという。

景気の低迷により外食離れが進んでおり、外食業界はどこも頭を抱えているなか、吉野家・松屋・すき家の大手牛丼チェーンはここが勝負だとばかりに、キャンペーン攻勢を仕掛けている。吉野家が上記キャンペーンの他に今月2日から15日までの期間限定で牛丼や牛定食を50円値引きすれば、松屋も10日から20日にかけて牛めしなどを80円下げるなど値下げ競争に発展。すき屋もカレー50円引きするなど、各社並盛り380円の低価格商品をさらに安値で提供している。原価ぎりぎりの商品をさらに値下げする聖域なきキャンペーンを各社が実施する背景には、消費者の低価格志向による需要増を吸収したいという狙いがある。
消費者の節約志向は牛丼チェーンにとっては追い風になっており、吉野家は金融危機が勃発した昨年の10月から5ヵ月連続で既存店売上を伸ばし、業績は堅調だ。ただし利益を上げるにはコスト削減が急務となっており、松屋に続き吉野家でも、店内で飲食する場合にくり返し使用できる「再利用箸」の採用に取り組んでいる。また吉野家は消費電力が少ない発光ダイオード(LED)照明の看板を設置した店の数を2010年2月末までに現在のほぼ2倍の330店程度まで増やす予定だ。これらの取り組みは森林資源の保護やゴミの削減など環境対策であるとともに、コスト削減によって不況を乗り越えるための企業努力でもある。各社のキャンペーンは期間限定のケースが多く、今月末から始まるGWに向けてどのようなキャンペーンが実施されるのか注目だ。
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