大学生のときに株の世界に
僕はゲームとソフトウェアの世界で生まれ育ち、大学生のときに始めた株相場のおもしろさにはまっていきました。
趣味としてサラリーマン稼業の傍らに「OmegaChart」を作成するなどの活動をするとともに実際に相場で稼ぐこともできるようになり、他にもやりたいことがいろいろ出てきたので思い切ってサラリーマンを辞めてみることにしました。と、ここまでが前回までのお話です。今回はその続きについて。
花のニート生活
サラリーマンを辞めたのは2005年3月です。ライブドアショック以前、政治では郵政民営化をめぐっていろいろ揉めている時期でした。
辞めた最大の目的は、自分の興味のあること(将来の起業のネタにしたいものも、単なる遊びも)により多くの時間を割くことでした。生活費くらいは相場で十分出せるし、もし失敗すればまたサラリーマンに戻ればいいや、という気楽な動機です。
しかも調子に乗って、辞める1ヵ月前に、当時住んでいたところから数十メートルのところにできた新築のマンションを購入してしまいました。勤務していた会社はそれほど大きくないとはいえマザーズ上場だったので、ローンを組むにはよい条件が使えたからです。
その気になればキャッシュで買うこともできましたが、それではトレーディング資金が大幅に減ってしまうので、きわめて低利のローンが使えることは重要でした。そんな感じで、新築マンションの一室で一応は「自分を鍛えなおす」新たなチャレンジが始まりました。

ところが、です!
毎日100%の時間を完全に自由に使えるという幸福に、起業の志は軽く吹き飛んでしまいました。当時は結婚もしてなかったので、正真正銘の100%です。午前はデイトレード、午後は陽のあるうちからビール飲みながら映画、夜は中断なしで本1冊を一気に読む、といったニート生活に突入しました。
この期間に、前から読みたかったけど手がつけられなかった本、勉強したかったけど時間のなかったソフトウェア技術の習得、などを一気に成し遂げ、さらに相場は張り放題、映画は見放題、で愉快な毎日です。いままで人生損してたなあ、と心の底から思いました。
サラリーマンのころには、このような価値あることをいかに我慢していたか、またどうでもいい会議などにいかに時間とエネルギーを使っていたかがこのときに初めてよくわかりました。サラリーマンを長くやっていて慣れすぎてしまうと、それがどのような損失であるかを認識する感性すら失われてしまうでしょう。
もちろん、世の中には大きな組織でなければできないような仕事もたくさんありますし、サラリーマンという生き方を否定するものでは決してありませんが、僕にとっては何にも束縛されない方が性に合っていることがよくわかりました。
これほど自由で楽な期間はもうこの時期を逃すと完全に引退してジジイになるまで訪れないのはほぼ確実だったので、せっかくの機会だから起業のネタと時期はあせらないことにして、じっくりいろいろ経験をしてみようと路線を切り換えたのです。
この期間、後の行く末に大きな影響を与えた経験が3つありました。スペインへの旅行、ラスベガスへの旅行、トレーディングの意義の再発見です。(次ページへ続く)
















