先月中旬、千葉県柏市、我孫子市の市長らは今夏の「手賀沼花火大会」の開催中止を決めた。同花火大会は手賀沼を囲む柏、我孫子両市で同時開催され、打ち上げ数が約1万3500発と県内最大級の規模を擁し、昨年まで22年連続で実施してきたが、急激な経済不況の影響から開催を断念することになった。
毎年家族や友人と花火大会に出向いてたという柏市在住の男性(30・自営業)は、「中止になると聞いてびっくりした。今年小学校に入学した子どもも楽しみにしていたので残念」と溜息をついた。
多くの市民が楽しみに待つ花火大会を中止するのは主催者側にとっても苦渋の決断だが、景気低迷のあおりを受け、花火大会が中止に追い込まれるケースはいま全国各地で相次いでいる。その原因のほとんどが企業の業績悪化に伴い、協賛金の確保が難しくなっていることだ。
浜名湖の東、遠州灘を望む静岡県袋井市で、3万発を打ち上げる日本最大級の花火大会「ふくろい遠州の花火」も中止に追い込まれた他、香川県多度津町の「たどつ夏まつり」の花火大会や岩手県内最大級の一関市川崎町のかわさき夏まつりの花火大会も予算が集まらず休止となった。
宮崎県宮崎市の大淀川河畔の花火大会も不況のあおりで先月中止が発表された。この花火大会は1983年に河畔のホテルが盆以降も宿泊客を呼び込もうと始め、市の補助金に加え各ホテルが資金を出し合うなどして運営してきた。毎年15万人以上の観客を集め、ホテルの前には特設のビヤガーデンなどもオープンし、にぎわってきたが、近年ではホテルの廃業や倒産が相次ぎ、また不況で協賛企業も減ったことから今年は中止を決定した。来年以降の開催の見通しも立っていないという。

一方、稀なケースではあるが、協賛金が集まらず中止が決まった花火大会が市民の訴えで復活した事例もある。他にも花火大会の規模を縮小することで中止を避けることもあるが、イベントの安全確保には一定の警備や交通規制が必要とされ、これに要する人員や経費が主催者側に重くのしかかる。夏の風物詩として全国各地で催されてきた花火大会だが、中止を余儀なくされた地域は少しだけさびしい夏となりそうだ。(小野健志)
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