驚かされた亀井金融担当大臣のコメント
たくさんの約束でスタートした民主党、おまけに念願の政権交代も圧倒的な議席で可能になったために、その高揚ぶりも理解できないでもないが、それにしても新しく大臣になった人たちの勇ましい発言がさっそくあちらこちらで聞こえてくる。
本来なら国会でまず新政権を担う民主党がいかなる国つくりを目指すのかについて、新しく首相になった鳩山さんの所信を表明し、しかる後に各大臣が政策を実行するのが一般には馴染みがあるが、今回は所信演説の前に省別に各大臣からいきなり具体案が出てくるので、関係者や関係する企業や自治体は大変だろう。
なかでも吃驚させられたのが亀井金融担当大臣の返せない借金は返さなくてもいい、利息だけ払っておいてあと3年間は銀行などに待ってもらえ、という一種の「モラトリアム」的な発言である。これは人気が出るかもしれないが人気とりでこんな乱暴な政策を実行されたら、それこそ社会主義もいいところで銀行は大迷惑だろう。

この亀井発言で銀行株は一斉に売られたがそれは売られるだろう。そうでなくても日本の銀行は外国の銀行に較べてその内容は大きく見劣りしているところに、こんなことをされたのではますます資本は劣化するし、そうでなくともBIS基準は株による資本重視に傾きつつあるのだから、亀井さんも世界の金融界がいまどちらに向いて進もうとしているかぐらいは調べてみるといい。
たしかに銀行の評判は良くないし恨んでいる人も多いだろう。だからといって人気取りで銀行を悪者にすればいいというものでもない。
個別の銀行に問題があるにしても何よりも大切なのは金融システムであり、金融システムが円滑に働かなくなれば肝心な経済に血が回らなくなるし、いっきに経済は落ち込むことは90年代の銀行バッシングでしっかり学んだはずである。
亀井発言で銀行株が売られたが資本不足の銀行にとって、株価の下落は大きな痛手でもある。結果として金をますます貸せなくなることに繋がるのは必至であり、この程度のことしか考えられない金融担当大臣が市場にとってありがたい政策をこの先打ち出してくるとはとても思えない。もうひとつリスクが増えたのはたしかだろう。何とも困ったものだ。
今の米国はバランスシート不況
さて政権が交代し鳩山さんも岡田さんも早速アメリカに出かけているが、彼らの目にいまのアメリカはどんな風景に見えるのだろうか?(次ページへ続く)














