ここ最近株で儲からなくなったという声を聞く。プロやセミプロも苦戦中だ。そしてその元凶について市場参加者の多くが口を揃えて「野村ホーディングス」だと指摘している。(バックナンバーはこちら



最近株が儲からなくなった元凶

 最近、現物株を売買しているディーラーや、証券マンを辞めて家でやっているデイトレーダーから、「本当に儲からない・・・」という話をよく耳にする。たしかに、日経平均のチャートを見てみても、圧倒的に「陰線」(終値が始値を下回ったことを意味するローソク足)が多いことが分かる。

 陰線が多いとはどういうことかといえば、「買い」から入って売買をした場合には不利な相場というわけだ。FXや225先物を売買している投資家は「空売り」も使うが、こういった現物株で売買する投資家のメインは「買い」である。その道のプロであるはずの現物ディーラーさえ儲かっていないのだから、例えば「ソフトバンクをデイトレして儲けよう」なんて意気込んだアマチュア投資家が資産を目減りさせるのは仕方ないところだろう。

 ここ最近儲からなくなった理由としては、誰もが口を揃えて「野村ホールディングス(8604)の公募増資」を元凶と指摘していた。

 野村が調達規模で最大5000億円級の公募増資を実施すると発表したのが9月24日の大引け後。9月24日の日経平均の終値は10544.22円で、10月6日には9628.67円まで急落した。わずか8営業日で日経平均が900円以上も下げたわけだが、その出発点と野村の公募増資発表はタイミングがぴったり一致する。やはりこれが「犯人」だった可能性が高いのである。

「何がいけないって、今年2回目というところ。あの規模の巨大な公募増資を年に2回もするなんて、自分が知る限り思い出せない。しかも証券会社がやるっていうのは節操がなさ過ぎだ」とは某国内証券のベテラン営業マン。

 その営業マンはとくに「年2回」というところを強調していた。しかも、野村は前回3月が2800億円だったのに対して、今回は5000億円級に募集額を増やしている。これはあまりに度が過ぎるというわけだ。

 また、国内系の株式運用部長は「大和が三井住友の系列から外れたことで、『野村一強』みたいになってきた。野村が傲慢な行動をとっても、止められる存在がいないのも事実」と指摘している。

 企業が資金を調達する方法は、3つしかない。銀行借入れ、社債発行、公募増資である。このなかで、自己資本に入る(返済しなくていい)のは、公募増資だけ。企業にとっては、ダントツおいしいのが公募増資である。

野村の「最強の営業力」

 昨今の業績悪化でリストラを迫られている大企業は多く、どんな事業会社だって「公募増資がしたくてたまらない」というのが本音だ。しかし、公募増資の場合は何より、投資家の需要を集めるという骨が折れる作業がある。会社のホームページや自社ビルの前で公募株を売るわけにもいかないため、幹事となる証券会社に販売を委ねることになるのだ。

 だから公募増資は「やりたければすぐにできる」というものではない。そこで公募増資の販売で腕の見せ所になるのが、幹事証券の営業力だ。人気がない玉であれば、顧客に強烈な営業をかけて捌くのが通例。国内では、その営業力で野村に勝る存在はなく、それは市場参加者なら誰もが認めるところである(当然、野村ホールディングスの公募増資の主幹事は「野村」であり、最強の営業力が駆使されたのは言うまでもない)。

 ではこの公募増資がなぜマーケットで批判され、株価の下落の要因とされたのか、わかりやすく説明しよう。(次ページへ続く)



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真行寺シンギョウジ

兜町の人脈拡大を真面目に行なっている。金融業界の裏事情に精通し、一部のファンから熱烈な信頼を受けている。

 


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