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中国に対しいらだち募らせる超大国アメリカ
グーグル筆頭に米企業、個別に動き出す

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2010/01/30 14:00

米国最大のリスクはいまや「中国との関係悪化」だ。「イランの暴走」や「欧州の財政政策の行方」、そして「鳩山政権の早期退陣の懸念」よりも重要課題となっている。(バックナンバーはこちら)

アメリカ最大のリスクは「中国との政治経済関係の悪化」

 2010年1月、アメリカの有力コンサルタント会社ユーラシアグループが『アメリカにとっての10大リスク要因』と題する報告書を公表した。それによれば、アメリカにとって最大の不安定要因は「中国との政治経済関係の悪化」となっている。

 ちなみに、第2位は「イランの暴走」、第3位が「欧州の財政政策の不一致」、第4位が「中間選挙を間近に控え、アメリカが大衆迎合的な金融政策を取る可能性」。そして第5位が「鳩山政権の早期退陣」とのこと。

 同じように、ダボスで開催される世界経済フォーラムに提出された「グローバル・リスク2010」と銘打った報告においても、最大の危機は「中国の不動産バブルの破裂」とされた。中国の主要70都市の住宅、商業ビルの価格は1年間で8%近い上昇を記録。バランスを欠いた産業政策の下、環境対策を無視した建設計画や工場の操業が続き、温室効果ガスの排出も増える一方である。

 思い起こせば、昨年12月にコペンハーゲンで開かれたCOP15において、参加国が気候変動問題への対策に関し具体的な合意ができなかった理由も「77カ国の途上国を味方につけた中国の反対にあった」とアメリカ側は分析しているのである。

 また今年1月に入り、グーグルが中国政府によるネット検閲に対し抗議したことも米中関係においては喉に刺さった棘に違いない。

 グーグルはじめ金融、技術、化学、メディアなど広範な分野の大手企業24社が中国からサイバー攻撃を受けたと述べている。こうしたネットビジネスを巡る対立もアメリカにとっては中国不信を募らせているようだ。当然のことであろうが、グーグルは中国市場からの撤退も辞さない構えを見せている。

 もともとグーグルが資本と技術を提供したおかげで急成長したのが「百度」(バイドゥ)と称する中国の検察エンジン会社である。当初からMP3と呼ばれる音楽の無料ダウンロードで顧客を獲得。その大半は海賊版であった。違法行為を意に介さないビジネスモデルはアメリカ企業にとっては容認できないもの。

 アメリカ政府はたびたび改善を求める交渉を行ったが、中国の裁判所はその都度、自国企業に有利な判定を下してきた。ついに堪忍袋の緒が切れたのが、今回のグーグルの決断であったに違いない。

 ことほど左様に、中国のマーケットは依然として閉鎖的な部分を残しており、知的所有権の侵害や人権問題なども国際的な基準からすれば、改善の余地が多分にあるとみなされている。とは言え、世界最大の消費者マーケットに成長した中国はアメリカの政府や民間企業の反応に対して強気の姿勢を崩していない。

 こうした問題に加え、人民元の為替レート問題や、米国債を巡る米中間の攻防が絡まってくれば、アメリカにとってやはり「最大の不安材料は中国との関係」と言うことになるだろう。

 巨大な人口をかかえる中国が無視できない存在であることは否定のしようがない。しかし、自由貿易主義を国是として掲げるアメリカにとっては、中国の市場介入政策や規制路線には簡単に屈するわけにはいかないのである。

中国経済の「大きな落とし穴」

 その点、アメリカの個別企業の動きも無視できない。(次ページへ続く)


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