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日本の新幹線技術は世界で勝ち残れるのか
技術移転で競争相手が増えていく過酷なレース

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宮島 理[著]
2010/02/07 10:00

 1月末、米オバマ大統領が高速鉄道計画を具体的に表明した。これをめぐり、仏・独・加・中などの国と、日本の新幹線技術が激しい受注競争を繰り広げている。

 オバマ米大統領は先月末、景気対策法から80億ドル(約7000億円)を投じ、全米で高速鉄道を整備すると発表した。新幹線技術を売り込む日本は、大型受注をめぐってドイツやフランスなどとの競争が激化しそうだが、アメリカの高速鉄道計画において、日本は苦戦しているというのが実状だ。

 日本の新幹線技術は、圧倒的な安全性と安定した運行が特徴だ。ただ、スピード面ではフランスの技術に負けている。また、技術力がいくらあったとしても、日本は価格力でどうしても不利になりやすい。さらに、技術力や価格力だけでなく、政治力も少なからず影響するから、そういったところも日本が苦手とする領域だ。

 石油を食う飛行機や自動車に対して、エネルギー効率に優れる高速鉄道は世界的に注目されるようになっている。アメリカ以外にも、ブラジル、アルゼンチン、ベトナム、中国、インド、ロシアなどで高速鉄道計画が進んでいる。ブラジルの高速鉄道計画では、日本、フランス、ドイツ、スペイン、中国、韓国が競っている。また、ベトナムは日本の新幹線技術を採用することが「内定」した。

 日本と欧州(特にフランス、ドイツ)は長年、高速鉄道計画の受注で競合してきた。古くは1988年のスペイン。バルセロナオリンピックとセビリア万博に合わせた高速鉄道計画で、日本はフランスと西ドイツ(当時)と競り合った(政治力の差などで結果は日本の敗北)。

 日本の新幹線技術が初めて輸出されたのは台湾の高速鉄道(2007年開業)である。この時は、欧州・オーストラリア連合に勝利した。

 中国の高速鉄道計画では、フランスとカナダを破り、日本の新幹線技術とドイツの技術が採用された。さらに車両生産や運行面での信頼性が高い日本の新幹線技術が受注割合を増して、ドイツを圧倒するようになっている。

 ただし、中国においては、受注と技術移転がセットになっており、受注を勝ち取ったからといって安易に喜べない事情もある。中国以外でも、技術移転の問題は常についてまわる。高速鉄道技術の輸入国が、技術移転によって輸出国に転じていくことで、さらに競争が激化している。

 実際、韓国もフランスの高速鉄道技術を導入したが、その後、技術移転によって自身も高速鉄道技術の輸出国に転じた。中国も同様の道を歩んでいる。ますます激しさを増す受注競争に競り負けないよう、日本の新幹線技術のさらなる競争力向上が期待される。

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