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原子力発電という新たな産業が世界の注目を集める中、インドでは国家プロジェクトとして原子力発電に邁進。原子力ビジネスへの投資が活発になっている。(バックナンバーはこちら


原子力エネルギーの新たな世界的リーダーを狙うインド

 経済成長の著しいインドは原子力発電の新興市場としても世界の注目を集め始めている。インドは2020年までに、2万メガワットの発電量を目標としている、と言われていたが、最近では各国と原子力協定を結べたことから、「2032年には6万3千メガワットにまで発電容量を拡大させる」と目標値を高めたようだ。

 現在のインド政府の目標では、「2050年までに、電力需要の25%を原子力発電でまかなう」とされている。これまでインドは核不拡散条約を署名していなかったために、過去34年間に渡り、原子力発電所建設に必要な核関連物質の輸入ができない状況が続いていた。

 そのため、2009年までは民間の原子力エネルギー開発には大きな障害が横たわっていたのである。さらに言えば、原子力発電に欠かせないウラニウムが国内では産出できないため、トリウムを使った独自の核燃料サイクルを開発してきた。

 しかも、そうした制約を克服するため、世界とは一線を画した核開発の専門家の養成に力を注いできたようだ。いわば、インドは原子力エネルギーの新たな世界的リーダーになることを国家目標として掲げているといっても過言ではない。

インド国内の電力需要は2020年までに3倍に急増も

 BRICsの一翼を担うインドでは、このところ7%近い経済成長を遂げており、電力需要がウナギ登りに増えている。2002年は5340億キロワットアワーと、1990年と比べれば2倍に電力需要が拡大している。とはいえ、一人頭で換算すれば、505キロワットアワーに過ぎない。さらに2006年のデータによれば、7440億キロワットアワーにまで拡大している。

 しかし、インド特有の問題もある。それは送電ロスが極端に大きい、ということである。そのため、実際に工場や消費者に供給される電力量は5050億キロワットアワーにとどまっている。現在のペースで経済発展が続けば、国民一人当たりの電力需要は2020年までに、現在の3倍に膨れ上がることは確実とみられる。

 ちなみに、現在インドでは、石炭による火力発電が68%を占めている。ガスによる電力供給が8%で、水力発電が占める割合が15%である。原子力発電の占める割合は2.5%に過ぎない。これはひとえに、ウラニウムの供給が制限されていることに由来している。

 そのため、インドは核不拡散条約に署名していないにもかかわらず、外交戦略を通じて、原子力先進国から先端技術を入手したり、アフリカの資源国との連携を強化し、不足していたウラニウムの安定供給を確保しようとしている。こうした努力の結果、2010年の3月には2020億キロワットアワーの原子力発電が見込まれている。

着々と周辺国と連携を強めるインド政府

 地球環境保全を求める世界的な動きを背景に、インドもクリーンエネルギーに対する投資を加速させ始めた。(次ページへ続く)



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INDEX
原子力エネルギーの新たな世界的リーダーを狙うインド

インド国内の電力需要は2020年までに3倍に急増も

着々と周辺国と連携を強めるインド政府

「原発ルネッサンス」で巨大なマーケットが出現

積極的に投資を展開するインドのヘッジファンド業界

新たな原子力超大国の座を目指して・・・

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プロフィール
浜田 和幸ハマダ カズユキ

1953年鳥取県生まれ。東京外国語大学中国語科卒業。米国ジョージ・ワシントン大学大学院にて政治学博士号取得。米戦略国際問題研究所、議会調査局等を経て、現在、国際未来科学研究所代表。その国際情報収集能力には定評があり、優れた国際情勢分析で注目されている。主な著書には『ノーベル平和賞の虚構』『オバマの仮面を剥ぐ』『食糧争奪戦争』『「未来を創るエジソン発想法』『「大恐慌」以後の世界』『石油の支配者』『ウォーター・マネー「水資源大国」日本の逆襲』『「国力」会議:保守の底力が日本を一流にするヘッジファンド―世紀末の妖怪』などがある。


本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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