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円ベースで27年ぶりの高値に
金が投資家に注目を受ける理由

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宮島 理[著]
2010/04/14 14:30

円ベースで金の小売価格が27年ぶりの高値になった。背景にはどのような要因があるのか。このまま1980年の史上最高値を更新するのだろうか。

 今月9日、金の小売価格が1グラムあたり3660円になった。1983年以来、27年ぶりの高値である。
 1983年の金の小売価格は3296円(年平均)だった。その後、金の小売価格は下落傾向が続き、2000年には1014円(年平均)まで下がった。ところが、2006年頃から高騰。リーマンショックによって一時下落したものの、3000円前後の高い水準を保ってきた。

 近年、金の小売価格が高騰している背景には、新興国の経済成長にともなう需要増とインフレがある。特に宝飾品としての金の需要は、インドで年々高まっている。経済成長でインフレが進む中、インフレに強いとされる金を求める人も増えている。

 また、世界的なテロへの不安や、ギリシャの財政問題など依然として尾を引く世界金融危機も影響している。「有事の金」と呼ばれるように、金は安全資産の代名詞とされてきた。そこで、金を買う動きが高まっているのである。

 さらに、年明けから円安傾向にあることも、円ベースでの金の小売価格高騰に拍車をかけている。ドルベースの金の小売価格は昨年12月をピークにここ数カ月は高止まりしているが、円安になっているため、円ベースの金の小売価格は上昇を続けた。

 ドルベースの金の小売価格は、昨年12月に史上最高値を記録している。一方、円ベースの金の小売価格は、1980年の4499円(年平均、年最高は6495円)が史上最高値である。1980年代半ば以降の長期的な円高傾向などが影響して、ドルベースに比べて円ベースの金の小売価格は低く抑えられてきたため、まだ史上最高値を更新するには至っていない。

 1980年に円ベースの金の小売価格が史上最高値となった背景には、インフレの悪化に加えて、旧ソ連によるアフガニスタン戦争(1979~1989年)、イラン・イラク戦争(1980~1988年)といった要因が影響した。

 1978年から1979年にかけて金の小売価格は2倍に急騰し、1979年末から1980年初にかけてさらに2倍に跳ね上がった。わずか1年ちょっとの期間で、4倍に値上がりしたのである。

 1980年頃と現在を単純に比較することはできないが、いずれも安全資産としての金への信認が高まっている点は類似している。1980年の局面では、その後、金の小売価格は下落して、長く低迷する時期が続いた。現在の局面で、円安がさらに進むなどして、円ベースでも史上最高値を更新するかどうか、成り行きが注目される。

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