サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で、当初の大方の予想を良い意味で裏切り、決勝トーナメント進出を決めた日本代表。惜しくもパラグアイに敗れたが、各テレビ局も軒並み高視聴率を記録し、日本代表がもたらした嬉しい誤算に沸いている。
今回のW杯では、さまざまな日本企業が南アフリカで貢献している。大阪の大型テントメーカー、太陽工業は、新設のスタジアムを建設。同社の米国と豪州の子会社が、ポート・エリザベスの「ネルソンマンデラベイ・スタジアム」、ダーバンの「ダーバン・スタジアム」、ケープタウンの「グリーンポイント・スタジアム」の3会場の製造・施工を約40億円で受注した。W杯会場での工事引き受けは、日韓大会(2002年)、ドイツ大会(2006年)に続き3大会目だという。
またソニーは、FIFAと契約を締結し、FIFAワールドカップの試合を世界で初めて3D映像化した。W杯を機に、3Dテレビ市場で世界的なシェア拡大を図る。
一方、W杯によって、経済損失が生じるという見方もある。スイスの研究機関の統計は、W杯出場国の約半分の労働者が試合を観戦するため、全世界で少なくとも104億ドルの損失をもたらすとの報告を出したという。今回の出場国中で、最も経済損失を出す可能性があるのは、ドイツとメキシコの17億米ドル、次いでブラジルの12億ドルだとされている。
また「ブブゼラ」をはじめとして、サポーター用応援グッズの多くは中国で生産されており、中国企業には、W杯特需といえる膨大な発注が生まれている。そのため、南アフリカの現地の業者からは「地元に利益を生んでいない」との不満の声も上がっているという。
試合では、多くの番狂わせが起こった今回のW杯。その勝負と同様に経済の面でも、どこが笑うかまだ結果は分からない。
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