大阪市に住む、中国残留孤児の70代の姉妹2人の親族とだとする中国人48人が、今年5月から6月にかけて日本に入国し、その内46人が大阪市に生活保護の受給を申請を行った。市は13世帯32人の生活保護費を認め、すでに支給を開始している。
大阪市は「今回については、すでに入国管理局が入国を許可し、形式的に要件が整っている以上、保護決定をせざるを得ない状況にあった」として、「平成22年7月4日現在、複数区で計46人の生活保護申請があり、うち32人について保護決定を行った」と報告している。
西区に受給申請した10世帯26人については、6月分の生活保護費計184万円がすでに支給されており、7月分はこれに加えて港区に申請した3世帯6人にも支給されている。生活保護費の振り込みは前月の月末、現金の場合は毎月1日に区役所窓口での支給となる。この32人の親族らは、姉妹の介護名目で入国し、1年以上の定住資格を得ていたという。
市は「入国直後の外国人がこれほど大量に申請した例は初めてで、非常に不自然」として、法務省入国管理局に対し、生活保護申請を保留している2人を除く46人の再調査を求めた。これに対して入国審査を担った法務省大阪入国管理局は7月2日、市に対し在留資格の調査を改めて行う方針と伝えている。
大阪市は生活保護の受給世帯が全国で最も多い。同市は今年2月に、2010年度の予算を1兆6905億円と計上したが、生活保護の受給者が急増したため、生活保護費は過去最大だった前年度からさらに17.2%増加し、2863億円となった。これに対して、市税収入は6091億円。生活保護費は市税収入の5割近くに達しており、この4分の1を市が負担することになる。
昨年12月現在では、市内で生活保護を受給しているのは10万5474世帯で13万6617人。市民の5.1%、実に市民の約20人に1人が生活保護を受給していることになる。生活保護基準の計算は、地域により物価が異なる。等級が6段階あり、居住地、世帯員の人数、年齢、障害の有無などによって変動する。また扶助には生活、住宅、教育、医療、介護、生業、出産、葬祭の8種類がある。
大阪市の場合、地域や家族構成によって異なるが、2人世帯の生活保護費として181,410円、3人世帯で217,980円(いずれも住宅扶助54,000円を含む)が大阪市健康福祉局のサンプルケースとして例示されている。
一方、社会的弱者をターゲットにした貧困ビジネスは後を絶たない。生活保護受給者が引っ越したように装い、大阪市から転居に伴う敷金・礼金の扶助や移送費をだまし取ったとして、大阪府警は5月30日、詐欺容疑で自称NPO法人「あけぼのの会」(旧・あしたばの会北大阪支部)代表の畑勲容疑者ら3人を逮捕。また、NPO法人「いきよう会」も同様の容疑で摘発されている。市で、今回の大量申請についても、生活保護の受給を目的とした、中国人を日本に手引きするブローカーの存在を示唆している。
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