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個人投資家が「単純な情報」に踊らされ売買に走るのはなぜか

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Heyward[著]
2010/08/27 10:00

情報過多の時代の反動か、個人投資家は明確・単純な情報、売買の根拠を求める傾向にあるようです。しかし、Aだから買い、Bだから売りという単純な根拠と売買で、相場で勝てるのでしょうか?(バックナンバーはこちら)

相場に「こうすれば勝てる」という勝利の方程式は存在しない

「こうすれば勝てる!」という表現が、初心者向けの投資本の表紙の多くに使われています。
 どうすれば勝てるのだろうと悩み続けている、負け続けている個人投資家が、このようなタイトルを書店で目にすれば、ついつい興味を引かれ、購買意欲を掻き立てられることでしょう。

 しかし、冷静に考えれば、「こうすれば勝てる」という単純な勝利の方程式が株式市場にあるとして、それを読んで負ける投資家がいなくなるとすれば、勝てる投資家もいなくなるということに直ぐに気づくはずです。

 すべての投資家が「こうすれば勝てる」という一つの方程式に従い売買すれば、売り買いは交錯せず、買いだけ、売りだけの状況となり、売買は成立しない(約定しない)のですから。

 よく言われる表現ですが、相場とは森羅万象を織り込み株価を決定する市場です。「こうすれば勝てる」というだけでは不十分で、「どのような場合に、どうすれば勝てるのか」を検証する必要があります。
 しかし、相場が森羅万象を織り込む限り、相場では似た局面はあっても、同じ局面は二度と訪れません。ということは、「このような場合に、こうすれば勝てる」という方程式も、存在しないということになります。

 直近の似た相場局面の例を挙げてみましょう。昨年8月の民主党(鳩山)政権誕生と1993年8月の細川政権誕生に類似性はあります。本年7月の欧州版ストレステスト前には、2009年5月の米国でのストレステスト前後の株価の推移が参考とされました。今月は、ドル円85円割れ、日経平均9000割れを窺う展開で、2009年11月末のドバイショック時が比較、参考とされました。

 これらは似た部分はあるものの、環境は異なっており、当時と同じ投資行動をとっても必ずしも勝てるわけではないことは、誰の目から見ても明らかでしょう。

 あくまでも、過去にはこのような場合に「あのようになったが…」という参考程度にしかならないのです(その「あのようになった」ことが株価材料となり、短期的にはそれと似た値動きを見せることもありますが)。

 であれば、出版社は「こうすれば勝てる!」というタイトルではなく、「このような場合に、こうすれば勝てる可能性は高まるが、必ずしも勝てるわけではない!」とするべきでしょう。しかし、そのような長ったらしい、頼りない、ネガティブなタイトルの投資本が、消費者、投資家の目に留まるはずもなく、出版社としては、インパクトのあるタイトルを表紙に付けるしかないのが実状のようです。

投資家も大衆も単純な表現、力強い表現を好み、それに影響される

 ここでプロパガンダの天才と言われたヒットラーを例に大衆心理を考えてみましょう。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • Heyward(ヘイワード)

    本業絶不調のため、やむなく相場で食っている一個人投資家。
    「勝たなくてもいい・負けなければ。負けても負けの金額を限定すること!」をテーゼに先物相場で日々奮闘中。
    楽観的・魅力的な先物相場の見方は証券会社にお任せして、私からは先物の恐ろしさ、個人投資家が陥りやすい相場に潜む罠、相場に起こる事象の見方・解釈、相場に挑む際の心の持ちよう等々を、個人投資家ならではの、しがらみのない立場で、皆様にお伝えできればと思います。
    日々の相場概観、ザラ場リアルタイム情報はブログ「株と先物の勉強会」にて更新中。

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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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