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中国のレアアース国家管理と資源ナショナリズム
日本など他国は脱レアアース、脱中国も選択肢に

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宮島 理[著]
2010/09/03 18:30

電気自動車などに欠かせないレアアースの大半を産出する中国が、資源ナショナリズムから輸出規制を強化。脱レアアース、脱中国の動きも。

 中国のレアアース国家管理が進んでいる。8月29日には、日中ハイレベル経済対話が行われ、この問題についても話し合われたが、中国政府によるレアアースの輸出規制は見直されなかった。

 レアアースとは希土類元素で、アンチモニー、イットリウム、ネオジウムなど17の元素の総称である。ハイテク産業での用途が多く、モーターに欠かせない永久磁石にもレアアースが使われる。特に、次世代自動車として注目される電気自動車やハイブリッド車の動力となるモーターでの用途が大きいため、将来的なレアアース需要増が見込まれている。

 日本は、レアアースの多くを中国からの輸入に頼っている。日本だけでなく、世界的にレアアース市場は中国に支配されている。中国のレアアース生産量は97%、埋蔵量は3割を超える。

 1990年代初頭にも、中国はレアアース国家管理を強化したことがある。当時の日本も、レアアースの輸入の多くを中国に依存していた。その後、レアアース国家管理はたびたび強化されてきた。

 2005年以来、中国政府は資源保護を名目にレアアースの輸出規制を行っているが、実際には資源ナショナリズムだという指摘もある。レアアースを中国企業に優先的に配分すると同時に、輸出規制によって対外交渉を有利に進めるというわけだ。

 ただし、廉価だからこそ、中国のレアアースは世界を席巻しているというのが実態だ。中国政府がレアアース国家管理をすることで、レアアースの価格が上昇していけば、中国以外のレアアース生産が増えていくという分析もある。結果的に、中国の優位は崩される。

 さらに、脱レアアースの動きも進んでいる。たとえば、三菱電機は、従来であればレアアースによる永久磁石を使っていたモーター部分に電磁石を使い、レアアースを使わないモーターを開発した。他のメーカーや大学などでも、レアアースを使わなかったり、使用量を減らすモーターの開発が行われている。

 脱中国の動きもある。日本企業の中には、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、中国以外のレアアース産出国に対して、積極的に投資するところも出ている。官民が連携して、ベトナムでのレアアース鉱山開発計画も進められている。中国ほど良質でない鉱山からレアアースを安価に取り出す技術も研究されている。多様なルートでレアアースを調達することがリスク低減につながっていくという考えだ。資源ナショナリズムに翻弄されない、安定した資源マーケットの構築が待ち望まれる。

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