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なぜアップルは後継者が育たないのか
スティーブ・ジョブズCEOの光と影

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2010/10/24 14:00

ここ数年、好業績を連発している米アップル社。だが株主の目下の心配は、同社の後継者問題だ。

 音楽プレイヤーの「iPod」、スマートフォン「iPhone」そしてタブレット型コンピューター「iPad」と、次々に世界中でヒット商品を連発する米アップル。7~9月期(第4四半期)決算では、最終利益43億1000万ドル(約3600億円)と、前年同期比で約70%増加した。

 時価総額で全米トップを目指し、快進撃を続ける同社を率いるのは、現在世界で最も注目を集めるカリスマ経営者スティーブ・ジョブズだ。10月21日にはオバマ米大統領から会談を望まれ、教育改革などについて意見を求められたという。

 同氏についてよく語られるのが、アップル社の救世主としての活躍だ。ジョブズは同社の共同設立者の一人だが、パソコンの「マッキントッシュ」をヒットさせた後、1985年に別会社を立ち上げるために一度アップルを離れている。しかしその後に同社は経営が傾き、業績不振に陥るなどかつての輝きを失っていく。

 そのような中、1996年にジョブズは非常勤顧問としてアップルに復帰する。2000年にはCEOに就任し、同社が赤字続きだったことから年棒1ドルで再建を請け負う。

 ジョブズはまずiPodを発表し、音楽事業に参入。音楽プレーヤーソフト「iTunes」によって、ネット上から音楽やビデオを購入できるビジネスモデルを構築し、世界中に普及させる。音楽事業をパソコンと並ぶ事業の柱に成長させたジョブズはさらにiPhoneを武器に携帯事業に殴り込みをかける。その後の成功は日本国内での「iPhone人気」を見てもわかるように、破竹の勢いで売上を伸ばしている。

 ユーザーやメディア、そして政財界にも熱烈なファンを持つアップルCEOのジョブズ。しかしその一方で、強烈な個性を持つだけに敵も多い。とくに部下に対しては非常にきびしく、猛烈に働かせるものの、業績に貢献した社員にもストックオプションを与えなかったり、言うことを聞かない者は罵倒した後にすぐにクビにすることもあるなど、その強権的な振る舞いには批判も多い。

 また部下の手柄を独り占めすることでも有名だ。部下が持ってきた秀逸なアイデアにはいったん鼻であしらっておき、しばらくたつと「素晴らしいアイデアを思いついた」と周囲に発表する。ジョブズはプレゼンテーションを得意としているが、新商品発表の際には、まずは一人で壇上に上がり、商品の説明を行う。これを見たファンの中には、iPhoneやiPadがあたかもジョブズから生み出されたと勘違いする者もいるだろう。しかし実際には多くの優秀な社員たちのアイデアと努力があってはじめて商品化されたのだ。

 そもそもジョブズは1985年にアップルを一度離れているが、これも円満退社ではなく、身勝手な行動が災いし、取締役会で権力を剥奪されたあげくの解任だった。しかもその12年後に、自分をアップルに復帰させてくれた恩人である当時のCEOを社内から追い出し、権力を手中に収めるなど裏切り行為にも躊躇はない。年棒1ドルでCEOに就いたのも、「救世主」を演出するマスコミ戦略だと揶揄する者さえいる。

 そのため、ビジネスチャンスを嗅ぎ分ける能力と抜群の行動力に魅せられて「ジョブズと一緒に仕事をしたい」と集まってくる者たちがいる一方で、そのやり方に嫌気が差し、同氏の元から去っていく部下も多い。ある元アップル社員は「アップルには定年まで勤めようという社員はいない」と告白する。数年勤めたら転職するか独立してしまうというのだ。ここ数年、アップルは好業績を連発しているが、株主の心配は同社の後継者問題。健康に不安もあるジョブズがアップルを去った後の経営を心配しているのだが、そもそもこの問題は、「部下を支配することだけを考え、自分以外に権力を与えようとしなかったジョブズ本人に起因している」のかもしれない。

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