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飛ぶ鳥を落とす勢いに見える新興国の多くでも実は高齢化が進行中。日本の失われた20年の経験を振り返れば新興国投資にも選別が必要なのだ。(バックナンバーはこちら


老いる新興国の経済のピーク?

「失われた20年」を経て、日本がだめなら外国株と考える投資家も少なく無い様に思われます。また、今回の大震災の復興に政治・行政の強いリーダーシップが発揮されないようであれば、この傾向にさらに拍車がかかってしまう可能性もあります。

 ただ、外国ならどこでも良いというわけでもなさそうです。特に、日本からみると飛ぶ鳥を落とす勢いのようにも感じられる中国や韓国、シンガポールといった国や地域も急速に高齢化が進んでいると考えられています。仮に、日本のように労働力人口のピーク、あるいは総人口が減少する15-20年程度前が経済発展の大きな節目となるのであれば、中国、韓国、タイなどではこれから5-10年程度が注意を要する時期となる可能性もあります。

 一方、同じアジアでも、インド、インドネシア、バングラディッシュ、フィリピンなどでは2050年までの予測でも人口増加が続くと考えられているので、国内の需要が減少する可能性という面に限っては比較的懸念は少ないと思われます(資源高が続けば人口増は必ずしもプラス要因ではないことに注意)。

 ちなみに、中国・インド以外のBRICsであるロシアではすでに人口減少期にあり、ブラジルでも2040年頃ごろには総人口が減少に転じるので、この点では懸念が残るといえるでしょう。(出所:国連統計)

高齢化が進む新興国では何が起こるか

 仮に一部の新興国で人口の高齢化が進み、それに続いて人口が減少するという日本が歩んでいるのと同じ道を辿るのであれば、以下の様な影響が生じる可能性があります。

・不動産価格の下落⇒不動産バブルの崩壊・逆資産効果
・国内消費の減少⇒デフレ圧力
・社会保障費の増大⇒財政悪化
・労働力の不足⇒産業基盤の弱体化

 このような状況となれば、株式投資には厳しい環境となる可能性があります。

投資を考えるなら

 仮に、労働力人口や総人口の変動が経済発展に大きな影響を与えると考えるのであれば、新興国投資の際に、以下の様な点に注意が必要と思われます。

新興国の選別

 新興国を一くくりにせず、それぞれの国の状況を考えて、できるだけ高齢化の速度が遅く、人口が増加している国への投資割合を増やすことが考えられます。一般に、新興国株式の時価総額の割合に応じて投資するインデックス投資では、株式市場が急速に発達した中国や韓国などの時価総額の割合が高いので、この逆の割合で投資してしまうことになるので注意が必要かもしれません。

資源への投資

 仮に高齢化が進むとしても、豊かになった新興国が一人当たりの資源の消費量を増やしていくトレンドにはあまり変化が無いという見方もあります。この考えに基づくなら、資源株や資源国通貨、コモディティ相場への投資が有効と思われます。

バブルのシグナルに注意

 仮に、新興国で不動産需要などが減少しているにもかかわらず、投資資金が流れ込み、同時に通貨の切り上げが行われるなどして、社会全体にユーフォリアが起こるようなことがあれば、特に注意が必要でしょう。この場合、当該国のみならず、影響を受けると思われる日本も含めた株式の投資ポジションを減らすとともに、プットで備えるということも有効となる可能性があります。

 次にそもそも「人口は重荷か国力の源泉か?」について考えたいと思います。(次ページへ続く)



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INDEX
老いる新興国の経済のピーク?

高齢化が進む新興国では何が起こるか

投資を考えるなら

一人当たりのGDPはあまり意味がない?

ただし、人口が重荷になる可能性も

投資を考えるなら

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プロフィール
土居 雅紹ドイ マサツグ

一橋大学商学部卒。ノースキャロライナ大学経営大学院MBA取得。大和証券での証券アナリスト、デリバティブ営業、大蔵省財政金融研究所勤務を経て1998年ゴールドマン・サックス証券入社。2000年にeワラントを開発・導入。2011年8月よりeワラント証券COO。CFA協会認定証券アナリスト(CFA)、 日本証券アナリスト協会検定会員。
主な著書に『勝ち抜け!サバイバル投資術』(実業之日本社)がある。


本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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