2010年6月に政府が閣議決定した成長戦略の中には「観光立国」のスローガンが掲げられており、訪日外国人を2020年初めまでに2500万人、将来的には3000万人にまで増やすとの指針が示されている。しかし、東日本大震災の発生と原子力発電所の事故の影響で、訪日外国人の数は大きく落ち込み、日本政府観光局が4月14日に発表した3月の訪日外国人の数は、推定で前年同月比50.3%減の35万2800人となり、減少幅は過去最悪だった。
そうした中、いち早く日本への観光旅行の募集を再開した香港の旅行会社がある。会社の名前は「EGLツアーズ」。旅行中にマグニチュード6.0以上の地震があれば、ツアー料金を全額返金するというプランを企画し、話題となった。
日本では東日本大震災余震が相次いでおり、発生したM6以上の地震の数は50回を上回っている。EGLツアーズが旅行代金の返金の可能性がある中で、日本ツアー募集再開を始めたことに驚きの声も上がった。
今回のツアーを企画したEGLツアーズは、訪日旅行を主力商品とする、年間売り上げが163億円に達する香港の大手旅行会社。EGLツアーズが日本に送り込む観光客は年間10万人以上に達し、香港から日本への送客シェアは4割を超えている。訪日旅行に関しては、香港でナンバーワンの旅行会社だ。
もともと日本国内でも、創業社長である袁文英氏は業界でよく知られた人物。袁文英氏は、一介の日本語ツアーガイドから身を起こし、起業から20年余で35階建て自社ビルを構えるまでに至ったサクセスストーリーを持つカリスマ経営者。その経営手法には多くの旅行関係者の注目が集まっており、日本の各地で袁文英氏を招いた講演会が、頻繁に開催されていた。
地域振興に力を入れる多くの地方自治体の関係者と袁文英氏とのつながりも深い。平成21年に講演のため沖縄県に来日した際には、沖縄県庁に仲井真知事を訪ね、沖縄と香港の観光について意見交換をしている。また、今年2月には、岡山県国際観光テーマ地区誘客促進協議会が、岡山県の魅力を理解してもらおうと、EGLツアーズ社ガイドの研修視察ツアーを実施し、香港からの訪日ツアー客獲得を目指している。
今回、EGLツアーズが企画した訪日ツアーは、返金制度のおかげもあって、売れ行きが好調だという。訪日観光客の減少に頭を抱える地方自治体にとって、EGLツアーズは救世主となるかもしれない。
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