先頃、厚生労働省、文部科学省の発表では、2012年春に卒業する大学生の就職内定率は、2月1日時点で80.5%。過去最低だった前年同期より3.1ポイント上昇し、最悪の時期は脱したといわれているが、依然として厳しい状況は変わらないようだ。
そんな中、各大学では就職支援のためにさまざまな努力が行われている。今までにない勉強や実習を通して、社会に貢献できる人を育てることを目標に掲げたユニークな大学・学部もある。
2010年に開設された関西大学(大阪)の人間健康学部のコンセプトは「健康で笑いのある、こころ豊かな暮らしを実現する」とある。同学部では、人が豊かな暮らしを営むためには何が必要なのかを徹底して学ぶ。スポーツのほか、思想他の精神面や人との円滑なコミュニケーションに不可欠なユーモアや笑いなど、多種多彩なアプローチを通して、徹底的に人間の豊かさを探究するようだ。
また、北の大地ではプロのハンターを育成している。北海道の酪農学園大学環境システム学部生命環境学科では、2010年から「狩猟管理学研究室」を設けた。ここでは、野生動物と人間の共生をはかるために必要なスキルとして、野生動物の個体調整などの有害獣駆除であるハンティングを学ぶ。欧米では、野生動物や狩猟の管理を行うレンジャーやハンターという職種が確立されている。現在のところ、日本ではこれらは職業としては確立していないが、環境保護意識の高まりを受けて、将来的には酪農学園大学出身の人材が核となり、誕生していくかもしれない。
さらに、今年4月に京都に開校する京都美術工芸大学は、伝統工芸や美術工芸を志す若い力を育てる学校だ。カリキュラムは、伝統工芸、文化財修理、伝統建築、工芸デザインの4つに分類され、選択した1分野を4年間に渡り、基礎知識から技術にいたるまでを身につける。日本には先人たちが残し、後世に伝えたい数々の芸術や技術がある。継承者の誕生となるか。平成の“職人”たちへの期待は高まる。
日本経済の景気がなかなか良くならない状況下で、学生や大学も仕事や職業に対する見方が変わっていくのかもしれない。
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