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ファストリ・ファナック・三菱UFJで検証!
PBR(株価資産倍率)で相場の天底を探る

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2016/02/01 08:00

 株価が激しく変動しているとき、「PBR(株価資産倍率)」を使って投資判断をすると思わぬ失敗をすることがあります。割高・割安の判断を誤らないよう、三銘柄に注目してPBRについて考察してみました。

PBR(株価資産倍率)で相場の天底を探る

 多くの上場企業では、外国為替相場や原油価格、国内外の景気循環などによって当期利益が大きく変動します。また、一株当たりの利益の何年分まで買い進めるかというPER(株価収益率=株価÷1株当たり純利益)も、不景気のときは5倍や8倍しかないことはザラですが、好景気になると水準が大きく切り上がって15倍や30倍、あるいはそれ以上になるものも増えてきます(投資家のリスク許容度の上昇)。このため、景気拡大局面では、利益の伸び(1株あたりの利益の増加)とPERの上昇(1年分の利益の何倍まで買い上げられるか)という二つの要素が影響して、どこまでも株価上昇が続くように思えてしまいます。

 ところが、大相場が終わって株価全体が急落すると逆回転が始まります。株価は一般に景気の先行指標なので、まだ業績悪化が顕在化する前に下げ始めます。すると、株価をその決算期の予想一株当たり純利益で割ったPERが低下して、どれも割安に見えてしまいます。これが「インテリトラップ」で、PERを使って投資判断をする際に陥りやすい失敗といえます。

 一方、一株当たり純資産(BPS)は企業の総資産―負債である純資産を発行済株式数で除した数値で、その時点の企業の解散価値ともされ、一株当たり純利益よりも一般的に安定しています。このため市場関係者の中には、「PBR(株価資産倍率=株価÷一株当たり純資産)を使えば、株価が割安なのか割高なのか判断できる」と考える方もいます。

 そこで今回は、日経平均の構成比で9-10%程度も占めるファーストリテイリング(9983)、同じく4-5%程度と高いファナック(6954)、メガバンクの代表として三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)の3社について、PBRが株価の天井や大底を判断するツールとして有効であったかどうかを調べてみました。

ファーストリテイリング:急成長株には高値警戒シグナルとなる?

 いわずと知れたユニクロブランドを展開するファーストリテイリング社は、円高局面では高品質・低価格商品で売上を伸ばし、国内市場が飽和気味になると矢継ぎ早に海外展開を進めて急成長してきました。図1は、同社の株価とPBRの推移を見たものです。2003年半ばには1381円/株だった一株当たり純資産は、毎年ドンドン利益を積み上げた結果、2015年11月にはその5.5倍の7645円/株にまで急増しました。

 さらに、日経平均株価に占める割合が9-10%程度と最も高い銘柄であるため、株価指数先物取引との裁定取引や日経平均連動ファンドなどに積極的に買い上げられた結果、株価は10年強で10倍になりました(図中えんじ色線)。株価の上昇の方が一株当たり純資産の増加よりも大きかったため、PBRも2003年8月の3.5倍から2015年11月には6.5倍と急上昇しています(図中みずいろ線)。

 ここで、図ではPBRが株価の割高、割安を示すことができていたかどうかを見るために、観測点から過去5年さかのぼった期間の最高・最低PBRと、その観測点における一株当たり純資産から株価上限(図中黄緑色点線)と株価下限(図中紫色点線)を加えました(5年移動平均PBR上限・下限)。

 なお、移動平均としたのは、たとえば観測全期間である2003年~2015年のPBR高値・安値・平均などを使うと、過去の一時点から将来のPBRが分かっていたことになってしまうからです。また移動平均の期間が短すぎると長期間のレンジが分からず、長すぎるとその企業の事業内容やグローバルな資金の影響の程度などが変わってしまう恐れがあります。そこで5年間の移動平均を使うことにしました。

 まず、リーマンショック前後の株価と5年PBRを用いた推計値上下限と比べると、リーマンショック時においても下限値まで株価が下落しなかったため、底値判定にPBRが使えるかどうかは分からないといえます。

 一方、上限に接した2010年2月、2013年5月、2013年11月、2015年5月、2015年11月ではすべての場合において、その後一旦は株価が下落しています。実際には、今までは好業績によって推計値上限が切り上がると、再びそれを目指して株価が上昇を始めるという展開が続きました。このため、絶対的な天井を知ることはできなくとも、目先の高値を知る目安としてはPBRは使える可能性があるといえそうです。

 なお、2016年1月15日時点のファーストリテイリング株のPBR5年移動平均推計株価上限は、52,129円で2015年5月の高値と同水準でした。推計株価下限は27,526円で、1月15日時点の株価37,000円から約26%低い水準でした。


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