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TOPIXにイスラム暦アノマリーがあった!

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2016/04/04 08:00

 しばしば「ラマダーンが」とか「イスラム新暦が」と市場関係者間で言われることがありますが、実際はどうなのか? 今回はイスラム暦とTOPIXのデータを分析し、検証してみます。

イスラム暦とTOPIXを分析

 イスラム暦(ヒジュラ暦)と言われてもあまりピンとこない方でも、「ラマダーン」という言葉は耳にしたことがあるでしょう。これはイスラム暦9月のことで、日の出から日没まで多くのイスラム教信者が断食を行う期間です。投資の世界でオイルマネーが存在感を示すようになってからは、「ラマダーン期間中は買い手不在になるから株価が軟調なんだよ」と当然のように言われていたこともありました。また、最近では「イスラム暦1月上旬はオイルマネーの買いが多いので株が上がる」という見方もあるようです。

 そこで、イスラム暦とTOPIXの関係を調べてみたところ、「ラマダーンの影響は現在はなさそう」「イスラム歴1月の上旬は堅調となりやすい」「イスラム暦6月(2016年は3月10日~4月8日)は、TOPIXは下落しやすい」「イスラム暦でもS&P VIXでみた相場の“荒れ具合”を組み合わせて考える余地がありそう」という興味深い結果が得られました。

イスラム暦は西暦と毎年11日ずれていく!

 イスラム暦(ヒジュラ暦)とは、西暦(グレゴリオ暦)622年をヒジュラ暦元年とした太陰暦です。月の満ち欠け(29.53日)を基にしているので、30日間の月と29日間の月が交互にあり、1年は354日または355日です(30年に11回閏年があります)。また、イスラム暦では太陽暦とのズレを修正しないので、毎年、西暦では11日ほど(年によって10日や12日の場合あり)イスラム暦の新年が早まります。このため、イスラム暦は四季を表さないものとなっています。

 さらに、イスラム暦の1日は西暦のように真夜中に始まるのではなく、前日の日没から始まって当日の日没で終わります(ラマダーンが終わるのが日没時なのはこのためです)。

 なお、イスラム暦では国や宗派、地域によって違いがあり数日ずれることがあります。このため、以下の分析ではサウジアラビアで公式暦とされているウンム・アルクラー暦を用いました(出典:ジェトロアジア研究所)。

TOPIX騰落率とイスラム月:ラマダーンの影響は霧消?
イスラム暦6月に注意!

 図1はイスラム暦各月のTOPIXの日次騰落率の平均値を、1991年~1995年(赤色棒グラフ)、1996年~2005年(きみどり色棒グラフ)、2006年~2016年2月(青色棒グラフ)に分けて表したものです。これを見ると、断食が行われイスラム諸国での日中の活動が停滞すると考えられていたラマダーン(イスラム暦9月)に、かつてはTOPIXは下落していたものの、現在は顕著な動きはみられなくなっていることが分かります。

 逆にイスラム暦1月は、直近20年ではどうやら上昇しているようです。一方、全期間共通で大きく下げているのがイスラム暦6月です。ちなみにイスラム暦1437年6月は、2016年3月10日(木)から4月7日(木)でした。

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荒れた年はイスラム月でも様相が一変

 西暦の半年効果(日本株では11月から翌年4月までの半年間のパフォーマンスが堅調となるアノマリー)が通用しない年は、S&P VIXの水準が高い“荒れた年”となっていることが多いようです。そこで、同様にイスラム暦においての月別騰落率に“荒れた年”による変化があるのか調べてみました。

 直近20年でVIXの水準が高い日が多い年(1997年~2003年、2007年~2011年、2016年)とそれ以外の年で、イスラム暦の月別リターンを比較したのが図2です。

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 このデータから、以下のことが言えそうです。

◎イスラム暦1月は、“平穏な年”にずば抜けて高い一方、“荒れた年”では顕著に低下
◎イスラム暦6月は、相場の荒れ具合にかかわらずいつも軟調
◎荒れ相場の年に下げるイスラム暦4月が、2016年は1月11日から2月9日だったので、
 今年の下げ相場と一致!

 ただ、6月を除いて全体としてみると「S&P VIXでみた荒れる年は総じて低迷」とみることもできそうです。この場合、「相場が下がってVIXが上がる訳だから、その年が荒れるかどうかは事前に予見できない」と考えるなら投資の役には立たないことになります。一方、「2016年3月の時点で、資源国破綻、英国EU離脱、日本の消費税増税や夏の国政選挙、米国大統領選挙、人民元再切り下げ、ユーロ圏経済と難民問題……と懸念材料が山積みであることに加えて、既に2016年1月と2月は大荒れだった。すぐに下落するとは言えなくても、荒れるかどうかはある程度予想できる。これは2007年後半や2008年でも同じだった」という見解もありえるでしょう。


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