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穴が開いた風船状態の日本経済、金融緩和はもう効かない?

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2016/09/02 08:00

 日銀の金融政策決定会合がおこなわれるたびに、右往左往する市場関係者。今回は、2012年以降の日銀会合で公表された金融緩和策の影響を、日経平均と米ドル/円相場に絞って整理する。

日本経済は穴が開いた風船か?
マネタリーベースが増えても株は上がらない

 日銀の金融政策決定会合(以下「日銀会合」)のたびに市場関係者は右往左往し、テロップに流れる単語ごとに自動売買プログラムが過敏に反応して、日本株も米ドル/円相場も大きく動きます。一方、“中央銀行には逆らうな”という相場格言があるとはいえ、2015年頃からその神通力が落ちてきたようにも感じられます。

 そこで、アベノミクスが始まる前の2012年から2016年7月までの日銀会合で公表された金融緩和策の影響を、日経平均と米ドル/円相場に絞って調べてみました。

※グラフをクリックすると拡大します。

 図1は、マネタリーベース(市中に出回る紙幣・貨幣と金融機関が日銀に預けているお金の合計)と日経平均の関係を見たものです。日銀が金融市場調節の操作目標を、無担保コールレートからマネタリーベースに変更したのは、2013年4月の「量的・質的金融緩和」(いわゆる異次元緩和)からです。ところが、政策変更が予見され始めた2012年末から日経平均はすでに急騰していました。その後2015年9月頃までは、おおむねマネタリーベースが増えると日経平均が上昇するという関係が見てとれます(緑矢印の期間)。つまり、「市中に出回るお金を日銀がジャブジャブにしたら株価が上がった」ということになります。

 これが2015年9月以降(黄色矢印の期間)になると、いくらマネタリーベース(つまりお金)が増えても日経平均は上がらなくなったようです。この理由を考えた場合、日本経済が“穴が開いた風船”のような状態とみなせば、つじつまがあいます。風船がぺちゃんこだった時にはどんどん膨らみますが、パンパンに近くなるとそれ以上空気を入れても穴から出て行ってしまって風船は膨らみません。また、穴が広がっているなら、いくら空気を入れてもどんどん風船は縮んでしまいます。仮に、日銀が注ぎ込んだお金(マネタリーベース)が米国株やインド株に間接的に流れているとすれば、日本株は低迷しているのに米国株やインド株が好調である一因という見方ができそうです。

米ドル/円相場もマネタリーベース増が効かなくなった?

 図2は同様に、米ドル/円相場とマネタリーベースの関係をみたものです。ここでも、2012年末のアベノミクス開始が予見された頃から大幅な米ドル高/円安となっています。その後、米ドル/円相場もマネタリーベースが増加すると米ドル高/円安が進みましたが、その効果に曇りが出はじめたのは日経平均よりも早い2015年2月頃(紫矢印)でした。その後、米ドル/円相場がマネタリーベースにあまり反応しない時期が続いた後、2015年9月頃(茶色矢印)からはマネタリーベースの増加と逆行して米ドル安/円高となりました。

※グラフをクリックすると拡大します。

 ここでも、せっかく日銀がつぎ込んだお金(マネタリーベース)が、風船に開いた穴から空気が漏れるように出てしまったと考えることができそうです。


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