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メール問題でクリントン氏に逆風か!
どうなる?大統領選と投資戦略

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2016/11/02 12:00

 米国大統領選挙も終盤戦ですが、クリントン氏のメール問題が再燃して大接戦となっています。今回は両候補の主張を比較し、同時に行われる議会選挙を踏まえて想定されるシナリオと投資戦略についてまとめました。

FBI捜査再開で株式市場は値下がり

 大統領候補のヒラリー・クリントン氏が国務長官時代に私的な電子メール・サーバーを使っていた問題をめぐり、米連邦捜査局(FBI)が調査を再開したという一報で10月28日の米国株式市場は高値圏から下落しました。選挙戦序盤からクリントン氏が優勢と見られてきましたが、世論調査の動向を見るとドナルド・トランプ氏との支持率は大差になっておらず、接戦となる可能性があります。

 そこで今回は米国大統領選の前の最終確認としてクリントン氏とトランプ氏の主張を比較するとともに、同時に行われる議会選挙を踏まえて想定されるシナリオと投資戦略についてまとめました。

実は一致している主張もある

 クリントン氏とトランプ氏が掲げている主張は多岐に渡っているので、相場への影響が大きいであろう経済政策や外交政策に注目しました。過去の発言などからまとめたのが表1です。

表1 クリントン氏とトランプ氏の経済・外交政策の比較
表1 クリントン氏とトランプ氏の経済・外交政策の比較

 クリントン氏とトランプ氏は、すべての政策で対立しているわけではありません。例えば石油産業に対する連邦税制・補助金については両者とも廃止すべきと主張しており、中国の軍拡の動きについても警戒する向きは同じ方向です。税制面ではトランプ氏が法人税の大幅な引き下げや課税率の引き下げなど、労働者や富裕層の票を狙っているためか、やや極端とも言える主張をしています。

 一方で対立している主張のなかでも注目したいのは、銀行業と証券業の分離を定めたグラス・スティーガル法の復活についてです。クリントン氏の夫のビル・クリントン氏が大統領だった1999年に廃止され、これによって銀行が証券業を兼業することができるようになりました。しかし、2008年の金融危機で金融機関への批判が高まって以降、共和党は同法の復活を求めています。

 金融機関の規制という面では、2010年7月にオバマ政権下で成立したドッド・フランク法があります。この法律は政府支援を受ける金融機関がリスクの高い事業を行わないように規制する趣旨で、金融機関が自己勘定取引を行うことを原則として禁止するボルカー・ルールも含まれます。ボルカー・ルールは2015年7月21日より適用されていますが、最近の欧州の金融機関の収益悪化の原因の一つとも考えられるものです。クリントン氏は金融機関への規制を強化すると主張している一方、トランプ氏はドッド・フランク法を見直すと主張しています。金融規制の動向は重要なポイントと思われます。


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著者プロフィール

  • 小野田 慎(オノダ マコト)

    eワラント証券 投資情報室長。一橋大学法学部卒業後、大和証券投資信託委託に入社、投資信託の開発業務に携わる。2005年からイボットソン・アソシエイツ・ジャパンにて金融機関向けのコンサルティング、企業等の評価に用いる資本コストの分析業務、投資信託の定量評価、現代ポートフォリオ理論に基づいたアセット・アロケーション(資産配分)に関する投資助言を行う。ゴールドマン・サックス証券を経て2011年8月より現職。ポートフォリオ構築の専門家としての経験を活かし、幅広い資産の分析を行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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