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投資家が注目するべき、2017年の政治イベントをチェック!

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2017/01/04 08:00

 米国大統領選をはじめ、いくつもの政治イベントに揺れた2016年。今年、注目すべき重要イベントを予習しておきましょう。

2017年の政治イベントをチェック!

 2016年の相場を語る上で見逃せないのは、英国の国民投票でEU離脱を決定したことや、米国の大統領選挙でトランプ氏が勝利したこと、さらにイタリアで憲法改正の国民投票が否決されたことです。選挙という政治イベントが金融市場に与える影響は無視できないものになってきています。2017年には欧州を中心に選挙が数多く実施され、EU中心国のドイツとフランスでも総選挙が行われます。一足先に重要イベントを予習しておきましょう。

 今年から来年にかけての主な政治日程は下表の通りです。主要各国の金融政策に関する政策会合の日程は各種経済カレンダーを見ることで比較的容易に把握できますが、政治日程に関しては未確定となっている部分もあるため、今後変更されることがあるかもしれません。海外の政治ニュースを注視して、日程の変更などを押えておきましょう。以下に特に重要と考えられる政治イベントについて概要をまとめました。

2017年から2018年にかけての主な政治日程
2017年から2018年にかけての主な政治日程

注目すべきイベント

 では、中でも注目のイベントをピックアップして、解説していきましょう。

2017年1月 英国最高裁、EU離脱の議会承認判断

 11月3日に英国の高等法院がEU離脱に関して議会の承認が必要との判決を下してから、下落を続けていた英ポンド対円相場は反転基調にあります。英国政府は上訴しましたが、報道によると英国最高裁は12月5日から審理に入り、結果を年明けに発表するとのことです。一方でメイ首相は2017年3月末までにリスボン条約第50条を発動し、EU離脱のプロセスを開始すると表明しています。このイベントは日程が明確に決まっていないので、特にBBCなど英国発のニュースには注意しておきたいところです。

2017年3月 オランダ総選挙

 欧州で始まる総選挙の先陣となる点で注目です。極右政党の自由党(PVV)の支持率が高まっており、政権与党の自由民主国民党(VVD)と並ぶ勢いとなっています。自由党党首のウィルダース氏は、首相になればオランダでEU離脱を問う国民投票を実施すると主張しています。自由民主国民党は労働党(PvdA)と連立を組んでいるため、自由党の大躍進がない限り政権交代は難しいと考えられますが、世論調査会社によって政党支持率にばらつきがあるため、結果を見るまでは不透明感が残るでしょう。

2017年3月15日 米国債務上限の期限到来

 2015年に米国が債務不履行(デフォルト)するかもしれない、という債務上限問題が発生しましたが、当時は期限付きの債務上限の引き上げを盛り込んだ予算法案が可決されました。その期限が2017年3月15日までとされており、トランプ大統領下でこの問題が再燃するかもしれません。デフォルト懸念で米国債が売られる状況となると、債券運用者が米ドルを売却して安全資産として日本円や円債を買う動きを伴うかもしれません。加えて、米国債を多く保有している日本や中国との関係において、トランプ氏が日本や中国を敵視したり、通商交渉における交渉カードとして、トランプ氏が意図的に一部デフォルトを引き起こすリスクもあるかもしれません。

2017年4月 フランス大統領選挙

 フランスの大統領選挙においては、第1回投票で有効投票総数の過半数の票を獲得できない場合には、2週間後に上位2候補による決選投票が行われます。2016年11月27日の中道・右派の候補者予備選挙でフィヨン元首相が候補者となり、大統領選挙は第1回投票でフィヨン氏、反EUを掲げる極右政党、国民戦線のマリー・ル・ペン党首、現職のオランド大統領が属する中道・左派の候補者の戦いになりそうですが、世論調査の動向を見る限りフィヨン氏かル・ペン氏の決選投票になると見られます。第2回投票で中道・左派の支持票がどちらの候補に流れるかがポイントですが、中道・左派の票がル・ペン氏に流れるとは思えず、フィヨン氏による中道・右派の政権となるでしょう。

2017年5月 イラン大統領選挙

 現職の穏健派ロウハニ大統領が2期目を目指すものと見られます。ただし、経済制裁を解除/停止した米国が政策変更を行い、再びイランに対して経済制裁が発動されるとロウハニ大統領に代わって強硬派の大統領となり、中東の地政学的リスクを高めることになるかもしれません。イランでは最高指導者ハメネイ師の許可がないと大統領選挙に出馬できないので、トランプ次期大統領に対するハメネイ師の動向に注目です。なお、イランとの貿易で経済制裁の解除/停止後にシェアを伸ばしたのは中国です。米国がイランへの抑圧的な政策を採ろうとすると中国が反対に回る可能性は高いと言えるでしょう。

2017年6月 フランス国民議会選挙

 2012年の選挙ではオランド氏が率いる中道・左派勢力が過半数を確保しましたが、2017年の国民議会選挙では中道・右派勢力が単独過半数を取れるかがポイントとなるでしょう。国民戦線も議席数を伸ばすと見られ、いわゆるキャスティングボードを握る勢力となるかもしれません。

2017年10月まで ドイツ連邦議会選挙

 メルケル首相率いるCDU(キリスト教民主同盟)は支持率が低下傾向とはいえ、CSU(キリスト教社会同盟)と合わせて3割以上の支持率を維持しており、第1党を維持すると見られます。第2党はSPD(社会民主党)ですが、2割強の支持率で安定推移しています。ただし、ドイツでも難民の受け入れに反対する政党、AfD(ドイツのための選択肢)の支持率は上昇傾向にあり2割目前となっています。選挙まで時間があることがかえってAfDの支持率上昇に拍車をかけることにつながるかもしれず、6月から7月にはSPDに代わる第2党に、10月にはCDU/CSUと支持率で互角となる可能性もあります。AfDが政権与党となるとEUの存続はいよいよ危ないものとなるでしょう。


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著者プロフィール

  • 小野田 慎(オノダ マコト)

    eワラント証券 投資情報室長。一橋大学法学部卒業後、大和証券投資信託委託に入社、投資信託の開発業務に携わる。2005年からイボットソン・アソシエイツ・ジャパンにて金融機関向けのコンサルティング、企業等の評価に用いる資本コストの分析業務、投資信託の定量評価、現代ポートフォリオ理論に基づいたアセット・アロケーション(資産配分)に関する投資助言を行う。ゴールドマン・サックス証券を経て2011年8月より現職。ポートフォリオ構築の専門家としての経験を活かし、幅広い資産の分析を行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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