現在、人気のFXだが、メリットもある一方で、リスクも高い。今回はFXのリスクについて説明したいと思う。



レバレッジ大きすぎると大損する可能性も

 外国為替証拠金取引(FX)は魅力的なものであるが、良い面ばかりではなくさまざまなリスクもある。商品性およびリスクについて理解、納得した上で取引したい。

 FXには「リスク」と一言にいっても、価格変動リスク・金利変動リスク・信用リスク・流動性リスク・資産保全リスク・個人情報の管理リスクなどさまざまなリスクが存在する。その中で、今回は誰もが気になる価格変動リスクについてレバレッジを含めてお話したい。

 為替相場は24時間変動している。当然のことだが予想と反対に進んだ場合にはいつ何時でも為替差損が発生することがある。外貨預金や外貨債券に投資する場合は元本に相当する円価をすべて払い込んでいるので為替変動により円価では為替差益差損が生じるが、購入した外貨額には変動はなく失うこともない。

 一方、FXでは払い込んでいるお金は担保としての証拠金であり、実際の取引金額(想定元本)の為替変動で差損が出て証拠金に不足が生じれば想定元本も消滅することにもなる。

 想定元本は証拠金を担保としてお金を借り入れて造成する。小さな証拠金で大きな想定元本に作り出すことができる(レバレッジ効果=テコの原理)。想定元本に比べて証拠金の額は小さいため、相対的に大きなポジションを持てば小さなマーケットの動きによって口座の資産価値は大きく変動することとなる。

 例えば、1ドル100円の時に証拠金が100万円のケースで考えてみよう。(表参照)

 レバレッジ1倍なら5万円の差益だが、もしレバレッジ100倍に設定していたら、500万円の差益が出る。レバレッジを活かすことで100万円の証拠金から500万円の益=500%の益が出ることにもなる。外国為替証拠金とは本当に儲かって魅力のある商品だと思ってしまう。


 ただ逆に相場が自分の思惑とは異なる方向に向かった時(ここでは円高方向へ向かった時)は、事情がまったく異なってしまう。

レバレッジ100倍なら1%の為替変動で証拠金すべてを失う

 レバレッジ1倍なら1万ドル保有なので、1ドルゼロ円まで元本は失わない。2倍の2万ドルなら50円の円高で100万円の証拠金を失ってしまう。5倍なら20円、10倍なら10円、100倍なら1円の円高で証拠金の100万円を失う。1円程度なら1日と言わず数時間でも変動するので一瞬のうちに100万円を失うこととなる。

 思う方向へ行けば500万円も儲けることができるが、意に反した動きとなれば一瞬に100万円を失うことにもなるのがレバレッジの魅力でもあり怖さでもある。

 簡単に計算するなら、レバレッジ1倍では為替が購入時から100%、2倍なら50%、10倍なら10%、100倍なら1%の為替変動で証拠金すべてを失うこととなる。100をレバレッジで割った金額が証拠金をすべて失う為替変動率だ。

 それではどれくらいのレバレッジが適当なのだろうか?

 レバレッジは、取引手法が、デイトレなのか、短期なのか、長期あるいは半永久的に保有するかで異なってくる。長期で持てば持つほど変動する不確定要素が強まるからレバレッジは低いほうがいいだろう。またデイトレや短期ならばレバレッジというよりもその日あるいはその取引期間に失いたく金額を証拠金として保有すればいい。結果的に高いレバレッジとなる。

 長期で金利差狙いなどの時は低いレバレッジで証拠金がなくならないようにすべきだろう。金利差狙いでは証拠金を失って元本が消滅すれば金利も受け取れなくなって元も子もなくなる。レバレッジは2~3倍程度でいいだろう。

 どの通貨もその価値が一気に2分の1、3分の1になることはないからだ。スワップ金利が証拠金として増加すればさらに低レバレッジとなり想定元本を失う可能性は極めて低くなり、長期的に金利を受け取ることができる。

 レバレッジが高ければ小さな変動で差損を被り証拠金を失う確率が高くなる。一方差益となればその益は膨大なものとなる魅力がある。レバレッジが低ければ証拠金をすべて失わずに長期的に想定元本を保有できるが、儲かった場合はレバレッジの高いものには及ばない。レバレッジの高さを自己資金と照らし合わせて適度なところに決めるのも相場観と同様に重要なマネーマネージメントの1つだ。

マージンコールとロスカットルール

 外国為替証拠金業者には証拠金が減少して元本を為替差損で保持できなくなる相場水準に近づけば、それを電話やメールで知らせてくれる。それをマージンコールと呼ぶ。その時に顧客は証拠金の増額をすることもできるし、損切ってその取引を終了させることもできる。

 またそういうマージンコールを行わず証拠金が元本を維持する水準を下回れば自動的に損切り(ロスカット)を執行する方式をとる業者もいる。業者側がマージンコールをする手間を省いたものなので顧客自身がウォッチしなければならない。

 また業者側が証拠金不足になる時に損切りする方式とは別に、顧客自らあるレベルを決めて証拠金が十分あるにもかかわらず損失限定の取引=ロスカットすることも可能だ。それをロスカットオーダーあるいはストップロスオーダーと言う。

 またオーダーを出さずにある一定の水準を決めて業者から自動メールなどを受け取り、受け取った時点で自分で損切り(あるいは利食いも)するシステムができる業者もある(アラートメールなどと呼ばれている)。

最後に注意点

 マーケットレートが一方向にかつ急激に変動した場合、顧客が指定されたレートよりも不利なレートで約定する可能性(スリッページの発生)があり、意図していない損失を被ることがある。

 証拠金不足を防ぐための業者設定のロスカットについても同様に相場の急激な変動や評価対象データの量などの影響により、ロスカット判定のための評価や反対売買の執行に遅延が生じ、その結果として預け入れ資産以上の損失を被る可能性があることも理解していただきたい。

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