スプレッド0銭のカラクリ
FXが個人投資家の間に開放されて10年の時がたった。いまや、株式投資と肩を並べるほどの人気だ。FXサービスを取り扱う会社も増え、先物取引会社系、独立系、証券会社系と、群雄割拠の様相を呈し、各社がサービス競争にしのぎを削っている。

2008年に入り、さらに激化したのは取引コストの引き下げ競争ではないだろうか。一般的に投資家がFX会社を選ぶ際に注目するのは、売買手数料、スプレッド(通貨の買値と売値の差額)、スワップポイントといった取引コストについてだ。システムの使い勝手や高機能ツールも大事だが、日々のコストはもっとも気になるところ。よって、より安く、条件のいい会社には、おのずと注目が集まる。
そういったニーズに各社も敏感に反応。いまでは、多くの会社が取引手数料無料を実現し、最近ではスプレッドの改定も相次いでいる。
そのような状況下、今年7月から、スプレッド0銭(ドル/円など)に踏み切ったのが、これまでもローコスト路線でアドバンテージのあった、クリック証券(東京都渋谷区)だ。
「この夏は株式市場が低迷していたので、株からFXに乗り換える投資家の方も多かったようですが、おかげさまで8月の取引高は過去最高。それまでの月間取引量から倍以上に増えました。口座開設の伸びも堅調です。スプレッド0銭が大きく貢献しました」と話すのは、クリック証券の外国為替部長、畠山一教氏だ。クリック証券においては、低価格戦略は見事、追い風になっているようだ。

「スプレッドが0銭ということは、取引レートから1銭レートが動くだけで為替差益が取れます。
短期の小幅な値動きでも利益が狙えるので、デイトレーダーをはじめとする、短期取引が活発になりました。トレーダーの皆さんも小まめに利益確定するので、反対に大損するケースも減ったようです」(畠山氏、以下同)
どうやら、スプレッド0銭戦略は、クリック証券と投資家の両者に恩恵をもたらしているようだ。しかしながら不思議なのは、なぜこのようなサービスが可能だということ。率直に疑問をぶつけてみたところ、次のような答えが返ってきた。
「単純に言うと企業努力なんですが(笑)。それはさておき弊社の場合、カバー先の金融機関が3行あり、それぞれから条件のいいレートを採用することで、買値と売値が同額、つまりスプレッド0銭を実現しています。取引量などに応じて、多少スプレッドが広がることはありますが、なるべく狭いスプレッドを安定して提供するようにしています」
スプレッド0銭をいったいどのような仕組みで実現しているのか、畠山氏の説明をさらに噛み砕いてみよう。














