短期トレーディングには必ずしも悪い相場ではない
日計りや2日程度のスイングトレードといった短期トレーディングであれば、一般にレバレッジをかけて小幅な値動きから収益を得る手法が多いと思われます。このため、一般に変動が大きい状況は活躍の場が増える可能性があります。例えば、
・大きく下げたらリバウンドを狙ってeワラントのコールや先物でロングポジションを取る
・上げ過ぎたと思えば逆にショートポジションを取る
・寄り付き直後の値動きが一方向に流れると見れば、同じ方向に投資して小刻みに利益を確定する
といった投資であれば投資機会が多いと思われます。
この際、損切り水準を予め決めておくとともに、思った方向に行ったら利益をきちんと確定するという投資規律が重要なポイントといえるでしょう。
長期投資ならパフォーマンス向上を図ることができる時期かも?
景気後退期で、かつ株価が下落している局面では、直前の投資で損失を蒙っている方も多く、また景気の見通しがとても暗く思われることが多いと思われます。こういった状況では、ほとんどの方は投資をしたくないと考えられますが、5年から10年といった投資期間で考えるなら、一般論として、「安いときに買って高いときに売る」「人が買わないときに買う」という投資の鉄則に従うことが経験的には効果が高いと考えられています。
当然ながら、数年後に景気が回復すれば、多くの方が買いたくない時に購入したものの多くは、大きく利がのっている可能性が高いと考えられます。
なお、長期投資ではレバレッジ投資を行うことが少ないので、好況時に余裕資金を残して置くことができたかどうかが重要なポイントになっていると思われます。
中期投資には困難な時期か?
数週間から数ヶ月程度で投資成果を得たいと考える投資家にとっては、価格変動が大きくなり、相場の方向性が見えにくい状況での投資は容易ではないと考えられます。例えば、業績からみて割安と思われる銘柄を探しても、数週間後には大幅な減額修正が待っているかもしれません。
また、テクニカル分析を用いても、大きなニュースの度に相場が大きく動き、いわゆるダマシが多くなるかもしれません。90年代末の日本や最近のアメリカでは週末に大きな出来事があるようで、週末をはさんでポジションが大きく痛んでしまうかもしれません。
個人的には、こういった局面では難しい投資期間を避けることも有効な対策なのではないかと考えています。つまり資金を長期資金と短期資金に分け、長く寝かせるものはレバレッジをかけずに数年単位で投資、短期資金分はレバレッジをかけて積極投資をするという方法です。
はずれたデカップリング論
次に最近、専門家が語らなくなったデカップリング論について考えてみましょう。