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金融パニックの中、大儲けをしたヘッジファンド
1年間で資金を87倍し、南の島でバカンス中

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2008/11/01 09:30

 金融危機が猛威を振るっているが、先行きを冷静に見通し、史上空前の利益を稼ぎ出したヘッジファンドも存在する。そんなヘッジファンドの代表といえるのが、不動産市場の下落に賭け、巨額の利益を確定したレイド・キャピタル・マネジメントのアンドリュー・レイド氏だ。(バックナンバーはこちら)

収まりそうにない金融パニック

 資本主義の大ボスを任じてきたアメリカで、資本不足が顕在化するという矛盾が露呈した。そしてニューヨークをはじめ世界各地で株価の乱高下が続く。ウォールストリートの金融機関を救済する名目でブッシュ政権は7000億ドル(約70兆円)の公的資金注入を決定したが、その財源は赤字国債発行でまかなうしかない。すでにアメリカの国庫は底を突いており、無い袖は振れないというのが実態である。

 昨年11月の時点で、アメリカの会計検査院では「財政赤字が54兆ドルに達しており、あらゆる財政支出を削減することがなければ国家破綻は避けられない」との報告書をブッシュ大統領に提出したが、ホワイトハウスはまったく聞く耳を持たなかった。こうなると自前の資金で自国の経済危機を救出することはほとんど不可能という話になる。

 そのためアメリカ政府は中国、日本、ロシアという3大ドル保有国をはじめ、オイルマネーを溜め込んでいる産油国に対し協力要請を繰り返している。あるいは国際的な支援体制に期待するという。このような体たらくでは金融パニックは収まりそうにない。おそらく、今後もアメリカ発の激震の第2波、あるいは第3波が次々と世界を飲み込むことになるだろう(ちなみに、オイルマネーを溜め込んだ産油国の政治・金融パワーの可能性と限界については、10月20日に文春新書から出版された小生の最新刊 『石油の支配者』 に詳細をまとめているのでご一読願いたい)。

今起こっている金融危機は「まさに底なし沼」

 10月末に、ヘッジファンドの期末決算報告が相次いだが、3560億ドルと見積もられるサブプライムローン関連の保証金の支払いができず、経営破綻するファンドが続出した。米財務省やホワイトハウスの顧問を務めるルービニ教授曰く「年末までにさらに500以上のヘッジファンドが破綻する」。すでに破綻した証券大手のベア・スターンズもリーマン・ブラザーズもヘッジファンド経由で天文学的なデリバティブ取引を重ねていた。

「悪魔の棲む世界」とまで揶揄されるデリバティブの全貌はいまだ水面下に隠されたままだ。国際決済銀行(BIS)の推計では516兆ドル。しかし、別の推計ではすでに750兆ドルにまで膨らんでいるとの見方もある。まさに底なし沼のようなもの。あるいは「ブレーキの壊れた金融新幹線」といえるだろう。

 現在のアメリカの国家予算が3兆ドル。GDPが15兆ドル。はたまた全世界の株式や国債の発行総額が約100兆ドルであることからすれば、アメリカという国家が50回破綻したとしてもまだ救済できないほどの仮想マネーがデリバティブ取引という金融工学の粋を集めた金融商品として世界中にばら撒かれているわけだ。

 思い出されるのは、1998年の金融危機である。(次ページへ続く)


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