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中東ドバイに6,000社以上の外資が殺到 「フリー・ゾーン」のメリットとは

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2008/11/14 09:00

「石油がなくなったら、将来はどうなる…?」限りある資源が尽きることを危惧し、いち早く産業多角化の対策「フリー・ゾーン」を取ったドバイ。今では世界100カ国以上から大企業を含む6,000社以上もの企業が進出しています。(バックナンバーはこちら)

フリー・ゾーンの成功

「摩訶不思議な形のホテルを建てたり、頂上が見えないほど高いタワーの建設を計画したりするなど、派手なプロジェクトばかり行って、明日にでもバブルが弾けるのでは?」 と囁かれていますが、そんな外野の声は物ともせず、当のドバイ経済は堅調な様子。人気マンガ『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)』では、事業家の中川もドバイで事業を企てており、商売人気質の両さんもいつもの調子で一儲けしています。

 ドバイと言えば、「お金持ちがたくさん住んでいるところ」というイメージが強く、観光業が好調であることがよく知られています。このような華やかで景気の良い側面が注目されますが、足元は意外としっかり固めています。そこで、今回はドバイの経済発展の象徴であるフリー・ゾーンをご紹介します。

 フリー・ゾーンと呼ばれる自由貿易地域は、外国資本を導入することだけでなく、世界の最先端の技術を取り込むことを目的として設立されました。シンガポールや中国が経済特区を設置することによって大きく発展したように、ドバイの急速な経済成長には、フリー・ゾーンによる外国企業誘致の功績が関係しています。

中東初のフリー・ゾーン

 ドバイに初めてフリー・ゾーンが誕生したのは1985年、日本がバブル景気に入る少し前の頃です。世界最大の人口港であるジュベル・アリ港を中心とするジュベル・アリ・フリー・ゾーンは中東初のフリー・ゾーンでもあります。前例のない試みに、当時はこの巨大プロジェクトが成功するのかどうか半信半疑な目で見られていましたが、外国企業に対し様々な優遇措置を講じて誘致を進めた結果、現在では世界100カ国以上から大企業を含む6,000社以上もの企業が進出しています。ジュベル・アリ・フリー・ゾーンには、ブリヂストンやホンダ、シチズン、ケンウッドなどの日本企業も数多く進出しています。更に、この成功に刺激されたUAEの首長国や周辺諸国は、フリー・ゾーンの設立に積極的に取り組むようになりました。

次々とビルが建つドバイ ここが砂漠の中だとは思えない
次々とビルが建つドバイ

 アラブ首長国連邦では、現地で会社を設立する場合、通常、外国資本の出資比率は最大49%までと定められています。しかし、フリー・ゾーンでは外資100%企業を設立することが許可されており、国外から自由に労働力を取り入れることができます。他にも、法人税や輸出入の関税が免除されるなどのインセンティブが付与され、進出企業にとって税制面のメリットが大きいことが分かります。資本や利益を国外に自由に海外送金をすることができ、また、現地人を雇用しなければいけないといった義務もないため、海外企業は自由に事業を進めることができます。現在、マイクロソフトやIBM、ヒューレッドパッカード、キャノン、ロイター、ソニーなど世界の名だたる企業がドバイに進出しています。

 また、ジュベル・アリ・フリーゾーンの最高経営責任者であるHareb氏(Salma Hareb)は、2008年版『フォーブス誌アラブ版』で「最も活躍しているアラビアのビジネスウーマンTOP50」で第一位に選ばれています。ドバイに限らず、中東では社会進出をする女性が増加している傾向があります。

ドバイでは、セクター別のフリー・ゾーンがあります。その他の代表的なフリー・ゾーンを以下に挙げます。

ドバイ・インターネット・シティ

 ドバイ首長国政府は、IT産業向けフリー・ゾーン「ドバイ・インターネット・シティ(Dubai Internet City:DIC)」を2000年に設立しました。DICには、マイクロソフト、IBM、オラクル、シスコ、ヒューレッドパッカード、キャノン、ノキアなど世界的企業から小規模なベンチャー企業に至るまで850社を超える企業が進出し、1万人以上の人が働いています。

ドバイ・メディア・シティ

 メディア産業向けフリー・ゾーン「ドバイ・メディア・シティ(Dubai Media City:DMC)」は2001年に設立されました。ロイター、CNN、CNBC、BBCワールドなどが進出しています。

なぜドバイはフリー・ゾーンを設けたのか

 なぜドバイはこうした海外資本に積極的なのでしょうか。その理由はドバイが2010年までに石油依存度を0%にするという目標を掲げていることに関係します。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 内藤 美穂(ナイトウ ミホ)

    1984年生まれ。株式会社ガジェットウェア代表取締役兼CEO。大学在学中にガジェットウェアを設立。日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009」キャリアクリエイト部門10位受賞。外資系投資銀行やベンチャーキャピタルとのパイプを持つ。学生時代より投資家としてTV、新聞、雑誌など各メディアに取り上げられる。18歳の頃にeワラント取引を始めたのをきっかけに、日本株、中国株、FXなどを取引する。現在、投資関連事業の一環として「ドバイ株ドットコム」でドバイ株口座開設サービスを提供している。
    Miho Naito CEO blog」でブログを更新中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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