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金融危機から得る教訓
あなたが信頼する「分散投資」を疑え

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2008/11/23 09:00

 金融危機によりほとんどすべての市場が下落している。こんな乱世では分散投資よりも、シンプルに考え原理原則に戻って将来社会が求める企業をいまのうちに買っておくという、バフェット式思考が結局大勝につながるのではないだろうか。(バックナンバーはこちら)

効用がなかった分散投資

 かれこれ50年近く市場を見てきたが、今回ほど異常な市場は見たことがない。
 何せ市場と言う市場のほとんどが下げたのだから、多分こんな状態は史上初めてではないか。株が下がったら債券が上がるとか、金など現物資産が上がるとか、それなりに分散しておけば損失はある程度ヘッジ出きたのだが、今回は不動産も含めてすべてアセットと呼べるものは下げている。
 ひと昔前は資産運用の原則として資産三分法が言われ、土地・現金・株と三分割で保有すべきと言われていた。

 今回は時代が違うのでもっと分散が可能だが、どう分散してもキャッシュ以外はほとんど減価しているのが特長である。値が動く資産のことをリスクアセットと言うが、すべてのリスクアセットが減価したのでは 「ひとつの籠にすべての卵を盛るな」 というポートフォリオの原則そのものがおかしくなって通用しなくなった。

 なまじ頭を働かせて分散しても効果がなかったのだから、何をやっても駄目だったというのが今回の金融危機から得る教訓だろう。だいたい分散投資って本当に正しいのか、改めて考えてみたらどうだろう。

 いつの間にやら分散投資をすべしという識者の声に無条件に反応していただけではなかったのか、ここは考えどころだろう。

原理原則で考える

 そこでバフェット流投資である。世界一の大富豪バフェット氏は分散投資などしていない。それどころかこれはと思った企業に大量に集中投資をしたからこそ、いまの財が築けたのである。

 フォーカスという英語があるが、これは焦点のことであり、彼の投資法はフォーカス投資として知られているように、集中的に絞り込んで投資をしていく。

 そして時間をかけて大きな成果を得ているのが特長だから、トレーディングを株式投資と考えている連中にとっては理解できないだろう。彼の言葉に 「将来売るつもりで買うような株は十分たりとも持ってはいけない」 とあるように、彼は買ったら永久に保有することを原則としている。

 分散投資など考えるような頭の使い方はもったいないと考えているらしい。リスクを自分なりにきちんと計算してうえでの判断だから、リスクをヘッジして分散するという考えそのものがおかしいと考えているのである。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 三原 淳雄(ミハラ アツオ)

    激動する内外経済の今後を展望し、対応を説く経済評論家。1937年満州国チチハル(現・中国)生まれ。九州大学卒業後、日興證券に入社。企業派遣によるノースウェスタン大学経営大学院留学、スイス銀行チューリッヒ支店勤務などを経て、ロスアンジェルス支店長。1980年から評論活動に入る。近著に『金持ちいじめは国を滅ぼす』(講談社)など。TV東京「News モーニングサテライト」 隔週月曜日(AM5:45~6:45放送)のゲストとして出演中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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