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オバマ新大統領の「本気度」を分析
彼には清廉潔白なイメージとは別の顔があった

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2008/12/03 09:00

 オバマ新大統領によって米国経済は上向くのだろうか。政権移行チームや新閣僚の顔ぶれを見る限り、カーター時代やクリントン時代を踏襲するかのようにしか思えない。これでは変革を求めた有権者の間に底なし沼のような失望感が広がるのも時間の問題といえよう。(バックナンバーはこちら)

金融モデルの再建には数年の時間がかかる

「1929年の大恐慌の再来か」とも言われるアメリカ発の金融パニックが世界を襲っている。
 国際取引所連合の集計では、2008年8月末の時点で、世界の主要53株式市場から前年比で14兆ドルもの時価総額が失われ、今や49兆ドルになったという。つまり世界のGDPの4割が消滅したということだ。日本でも「トヨタ・ショック」に象徴されるように、大企業といえども非常事態に陥っているところが目立つ。

 アメリカのファンドが金融工学の粋を集めて開発したとされる 「CDS (クレジット・ディフォルト・スワップ)」 などを大量に買い入れていた日本企業も多く、その損失が今後明らかになるにつれて被害はさらに拡大しそうな雲行きである。もともと企業倒産などで将来資金が焦げ付いた際に肩代わりをしてくれるはずのリスク回避商品CDS。

 ところが、こうした損失補てんの金融商品を扱っていた元締めの金融機関のリーマン・ブラザーズ、ベア・スターンズ、メリルリンチなどが相次いで破綻してしまった。リスク回避のための商品がリスクすらバブル化させるという皮肉な結果をもたらしたのである。格付機関の評価も高いはずだったが、これでは格付そのものが信頼できないとの声も上っている。

 要は、根本的な商品設計に過ちがあったことは否定のしようがない。銀行と証券、投資業務が一体化した結果、金儲けの欲望のみが肥大化し、健全な歯止めがかからなくなってしまったといえよう。こうしたアメリカ式の金融モデルの再建には数年の時間がかかるに違いない。変革(チェンジ)を掲げて有権者の支持を獲得したオバマ候補が第44代のアメリカ大統領に決まったが、はたしてどこまで国民の期待に応え、経済・金融の立て直しに成果を上げることができるのだろうか。

オバマ氏の「清廉潔白なイメージとは別の顔」

 世界に波及したアメリカ発のサブプライムローン危機。その温床となっていたのが政府系のローン融資公社である。問題は、今回の大統領選挙で激しい戦いを演じたオバマ、マケイン両候補がフレディ・マックとファニー・メイの双方と腐れ縁で繋がっていることであろう。オバマ氏は上院議員の中では、2番目に高額の政治献金を両公社から受け取っていた。清廉潔白なイメージとは別の顔がある。

 一方、マケイン候補は自らの選挙参謀が両公社の顧問を務めており、多額のコンサルタント料を受け取ってきたことが明らかになった。両公社だけで、サブプライムローンの焦げ付き融資額は7800億ドルと言われる。アメリカ議会が難産の末に決めた7000億ドルの公的資金を全額投入したとしても、この両公社の抱える不良資産を解決することはできそうにない。

 シカゴの自宅取得に際しても不明朗な資金の流れがあったと批判を受けたオバマ新大統領が、どこまで危機の源泉であるサブプライムローン問題を解決できるのであろうか。変化を求める有権者の期待は高かったものの、本当に意味のあるチェンジをもたらすことができるのか、極めて怪しいものがある。

オバマ新政権の「本気度」を占う

 また、多額の公的資金を受け取ることになったゴールドマン・サックスやウォール・ストリートの金融機関は選挙期間中、相次いでオバマ陣営に多額の政治献金を行っていた。(次ページへ続く)


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