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「自ら没落したGM」と「ノー天気なエコノミスト」

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2008/12/12 09:00

 金融危機の影響でトヨタの株が相変わらず下がっている。だが、これはトヨタの関係者から聞いた話だが、今回のこの自動車業界の苦境をトヨタのトップはむしろ喜んでいるフシがあるらしい・・・(バックナンバーはこちら)

裏読みをしてみよう

 とうとうトヨタの配当利回りが5%に近づき、PBR(1株当たりの資産価値)は0.8倍まで株価は下げてきた。市場は必ずしも合理的には動かず、上にも下にも時として大きく振れるものだが、それにしてもよく下げるものだ。

 きっといまアメリカで大騒ぎとなっているGMをはじめとするビッグスリー(米国の三大自動車会社)を連想しているのだろう。フォードの誕生は百年前だから確かに百年に一度の騒ぎであることは間違いないが、百年も経てば世の中変化があるのは当たり前、その変化に対応できなかったのがビッグスリーであり、50年前ごろは「GMにいいことはアメリカにとってもいいことだ」なんて豪語し傲慢だったがゆえに自ら没落していっただけのこと。

 ビッグスリーが無くなったって世の中困るわけではないということが見抜けなかった、歴代のトップが間抜けだったツケが回ったのが現状だろう。慢心とは恐ろしいものだ。

 トヨタの関係者から聞いた話だが、今回のこの自動車業界の苦境をトヨタのトップはむしろ喜んでいるフシがあるらしい。

 もちろんレイオフもしているほどの苦境だから手放しで喜んでいるわけではないが、一方では社員の浮ついた気分が緊張感に変わるのではと期待しているのも事実だろう。

 最近のトヨタのトップの悩みは新入社員に東大出が増えたこと。個人情報がうるさくなった関係で出身大学や家庭の事情は伏せられたまま採用すると、やはり東大出は優秀だからどうしても増えるらしい。

 その昔トヨタやホンダを目指す学生は「車が好き」という動機が主だったらしいが、この頃の学生は車が好きというよりはトヨタだから、ホンダだからと安定を求めてくる奴が多くなっているとか。そのためトヨタに勤めていると言うだけで傲慢になる社員も増えていたらしい。

トヨタの悩み

 なまじ頭だけ優秀で車に関心がない社員が増えると、日産が好例だが官僚的になりセクト主義が横行し企業の活力が失われていく。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 三原 淳雄(ミハラ アツオ)

    激動する内外経済の今後を展望し、対応を説く経済評論家。1937年満州国チチハル(現・中国)生まれ。九州大学卒業後、日興證券に入社。企業派遣によるノースウェスタン大学経営大学院留学、スイス銀行チューリッヒ支店勤務などを経て、ロスアンジェルス支店長。1980年から評論活動に入る。近著に『金持ちいじめは国を滅ぼす』(講談社)など。TV東京「News モーニングサテライト」 隔週月曜日(AM5:45~6:45放送)のゲストとして出演中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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