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東芝と日立に見る「うさぎと亀の関係」 日本を代表する両社が高ROE戦略で明暗

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2008/12/14 09:00

 米国のサブプライム問題に端を発した金融危機は、とうとう実態経済まで伝搬してきました。  日本では2四半期連続でGDPがマイナス成長になり、いわゆる「不況」に突入しています。経済活動が落ち込むと、いわゆる「選択と集中」を行い、ROEを高め株主価値を高めようとした企業が不振に陥っているように思います。「選択と集中」の意味をもう一度考えてみます。(バックナンバーはこちら)

高ROEを目指して

 最近の株主価値を高める方法として、「ROEを高める」という議論があります。ROEは、金融の教科書を開くと、「売上高当期利益率」と「総資産回転率」と「財務レバレッジ」に分解されます。ROEを高めるには、これらを高める必要があるのですが、具体的に企業はどのような行動をとってきたのか、2つの総合電機メーカーの例を検証してみましょう。

東芝の戦略

 東芝の戦略は非常に明確でした。半導体など電子デバイス分野や、今後成長が見込まれる原子力発電などの社会インフラ分野へ積極的な投資を行いました。一方で利益率の低い分野への投資を抑え、銀座の不動産を売却するなど、本業とコア事業への集中を行いました。

 その結果は非常にうまくいきました。電子デバイス分野と社会インフラ分野を中心に順調に売上げは増加し業績は回復しました。2007年3月期の決算では、1374億円の当期純利益と13%のROEを達成し、2008年3月期もほぼ同水準の業績となりました。

日立の戦略

 一方、同じく世界を代表する総合電機メーカーである日立はどのような戦略をとったのでしょうか?
 原子力発電機器事業でGEと合弁会社を設立したり、IBMのハードディスク子会社を買収したりするなど、積極的な海外展開を推し進める一方、さまざまな分野への多方面展開を維持し、それぞれの分野での効率化に専念する戦略をとりました。

 その結果、ほとんどの分野で売上高や営業利益率が着実に増加改善したものの、資産の評価減の損失なども加わり、ROEは1%から2%と低い水準に留まっています。

うさぎとかめ?:明暗を分けた2009年度9月決算

 2008年3月期までの決算を比べると、経営効率では東芝の圧勝と言ってもいいと思います。明確な経営プラン、伸びる業績に高いROE。まさに「選択と集中」がうまくいった事例でしょう。

 ところが、2008年春以降、リーマンブラザーズの倒産をきっかけとして、急速に世界中で景気が悪化すると共に、大きく風向きが変わりました。その影響が両者の9月決算にはっきり現れました。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 課長 今調査役(カチョウ イマチョウサヤク)

    大学院で物理学を志すも途中、島耕作にあこがれ金融業界へ。本職は債券市場と計量分析のアナリスト(自称調査役)であるが、お金の流れを追う過程でマクロ経済、株式、商品、アセットアロケーションなどを学び、株の銘柄選択以外すべてに通じるマルチアセットアナリストとして、多方面で活躍(予定)。日本人として日本人の資産をいかに有効利用するかを生涯の目標とする。
    好きな言葉 「潮が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる」

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