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【財務諸表が読める・わかる】 元手がいらない学習塾経営の特徴が丸わかり

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2008/12/24 09:00

 このコーナーでは、財務諸表をとことんわかりやすく、そしてきちんと説明していきたいと思います。企業の損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書を読むことができれば、株式投資やビジネスで必ずあなたの役に立つことでしょう。(バックナンバーはこちら)

「学習塾の財務諸表」を見てみよう

 今回見ていただくのは、株式会社東京個別指導学院(証券コード:4745)の平成20年2月期(平成19年6月1日~平成20年2月29日)の財務諸表です。なお、この会社はもともと5月決算だったのですが、2月決算に変更したため、この期は特別に9か月間となっています(普通は1年間)。

 この会社は学習塾を運営しています。最近では学習塾に通ったことがない人の方がめずらしいようですので、今回もイメージしやすいのではないでしょうか。ちなみに、この会社が運営しているのは、会社名からわかるように個人指導塾なのですが、最近はそうしたスタイルの塾が増えているようです(筆者は、先生と一対一なんて絶対に嫌ですが)。

 前回も言いましたが、販売する商品やサービスが異なれば、取引の方法や必要な設備などが異なり、財務諸表にも違いが表れてきます。今回もこの点を意識しながら財務諸表を見てください。学習塾が販売するものは何でしょうか、また、それを販売するために必要なものは何でしょうか。

損益計算書を見る

 下の表が東京個別指導学院の損益計算書(P/L)です。いつもどおり、まず一番下の当期純利益を見ると、1,220,176千円です。では、これをどのようにして得たのか、上から順に見ていきます。

 売上高12,259,832千円に対して売上原価が7,248,065千円で、売上総利益は、

(売上高)12,259,832千円-(売上原価)7,248,065千円=(売上総利益)5,011,766千円

となります。売上高12,259,832千円は、平成19年6月1日から平成20年2月29日までに生徒から(正確には生徒の親から)得た授業料の金額です。では、売上原価は何の金額でしょうか。

 回転寿司チェーンの場合は、寿司になる前の魚やお米などの金額、ワイン販売業の場合は、販売するために仕入れたワインの金額と、売上原価の内容はわかりやすかったと思います。それに対して、この学習塾の場合、売上原価の内容は少しわかりにくいかもしれません。

 生徒を教える際に使用する教材の金額でしょうか。それにしては少し高過ぎるようです。実はそれだけでなく、生徒を教える先生の給料や教室用に借りた部屋の家賃などの金額も含まれているのです。学習塾が販売するのは、勉強を教えるというサービスですが、その原価はさまざまなものから成り立っていると考えて、こうした内容にしているのです。

 さあ続いて営業利益を見てきましょう。学習塾経営は他業種に比べて販売費及び一般管理費の割合が少ないようです。いったいなぜでしょうか。(次ページへ続く)


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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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