MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

S&P、ムーディーズの「格付け」の仕組みに迫る
デフォルトの可能性が低いスワップ大国を探せ

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2009/01/07 09:00

 日本の「格付け」はバブル崩壊時には「A+」となりアフリカのボツアナと同等になったと話題になったことを覚えているだろうか。今回はFX取引など投資を行う際に投資判断の1つに利用される「格付け」とその仕組みについて説明していきたい。(バックナンバーはこちら)

投資の参考にされる「格付け」のしくみ

 格付けとはどのように利用されているのだろうか。
 一般的に生命保険など機関投資家が債券投資を行う場合にトリプルB格以上が投資適格格付、ダブルB格以下が投機的格付としている。債券の格付では格付け機関によって呼び方は異なるが、高い方から順にトリプルA、ダブルA、シングルA、トリプルB、ダブルB、シングルB、トリプルC、ダブルC、シングルC格およびシングルD格までの大きな段階がある。

 これを債券投資ではないFXのスワップ狙いの取引にそのまま利用することは厳密に言えば適切ではないが投資する通貨の国の信用状態を知る上で参考になる。

 ただ昨年から世界を揺るがせたサブプライム問題においてサブプライムローンを証券化した債券に格付け会社のS&P社はムーディーズ社が最上級格付けを付与していたことなど絶対的に将来の安全を保証するものではない。最上級格付けを付与していたにも関わらず破綻したことでG-7などの世界の金融当局は格付け会社の指導管理を徹底することを表明している。

 格付けはその時点での投資状況を示すものであり将来を保証するものではない。格付けは保証でもなんでもない。我々が経験する人間ドッグや健康診断のようなもので現在の状況は教えてくれるが将来まで保証しない。

 昨年はS&Pのアイスランドの長期債権に対する格付けはAAAであったが現在はBBB+までに引き下げられている。もう少しで投資対象からより危険な投機対象となってしまう。

 日本はほぼゼロ金利なので同じようにゼロ金利になった米国以外にスワップ狙いで投資すればスワップは受け取れ、FXのスワップは通貨そのものに投資するものであり、債券に投資するものではない。

 だから債務支払い停止(デフォルト)などはスワップにはないが、その国の国債が支払い停止になるような状態になれば金融市場も混乱し正常な価格形成がなされるかどうかはわからない。

 ということでFXのスワップ投資をする上で当該国の自国通貨建て国債格付けを参考にすることは1つの方法でもある。

 ちなみに世界的に有名な格付け会社のS&Pやムーディーズの格付け以下のようになっている。日本国債はS&Pで上から3番目、ムーディーズで上から4番目である。

 次に日本の格付けと同等以上と日本以下で投資格付けの下限のBBBに分けてS&Pの格付けから取り上げたい。(次ページへ続く)


  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 野村 雅道(ノムラ マサミチ)

    1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。1982年ニューヨーク支店にて国際投資業務、外貨資金業務、外国為替業務に携わる。1985年帰国後、本店にて外国為替チーフディーラーとして活躍。1987年ファーストシカゴ銀行へ転出、スイス銀行を経てBNPパリバ銀行外国為替部市場部長。東京外国為替市場の中心として活躍した。現在は、FX湘南投資グループ代表(FSIG)ならびに専修大学、中京大学講師。テレビ、ラジオ、新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。著書に『働かずに毎年1000万円稼げる私の「FX」超活用術 』(講談社+α新書)など。執筆中のブログ「ID為替研究所」「ID為替レポート」「野村雅道と楽しい投資仲間達」も人気。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5