「目論見書」は役立つ内容が満載
投資信託を購入する時には必ず目論見書が交付されます。読者のみなさんの中にも投資信託を購入する際、この目論見書を受け取ったり、ネットで閲覧したりしたことがある人がいると思いますが、この目論見書をしっかり読んだという人は少ないのではないでしょうか。

そもそも目論見書とは、「法定開示資料」と言って証券会社などが投資家に投資信託を販売する際、事前または、同時の交付が義務付けられているもので、目論見書には、運用方針や投資リスクなど投資家が投資信託を購入する前にあらかじめ知っておく必要がある重要な情報が記載されています。
交付が義務付けられているため、手渡しで目論見書を受け取ったり、ネット購入でボタンを押すことが必要だったりするわけですが、受け取ったり、ボタンを押して閲覧しましたという記録を残すことと、しっかり読んだかは別の問題で、たぶんほとんどの投資家の方が「受け取っただけ」または「ボタンを押しただけ」で、しっかり中身を読んではいないのではないでしょうか。
今回、なぜ「目論見書を読もう」という話なのかといいますと、先ほども書きましたようにその投資信託の運用方針や投資リスクなど、「投資信託を購入する際と購入した後の売買判断に役立つ内容が書かれている」からなのです。
ところが、たいていの人は目論見書をよく読まないばかりか、投資信託を購入した後は基準価格だけに気を取られるか、プロが運用してくれているのだから大丈夫と、ほったらかしで何も見ていないという状況になっているのではないでしょうか。
目論見書は、いわば「会社四季報」のようなもので、企業の事業内容に当たるものや、業績に与えるリスク要因等が書かれているのです。したがって、投資信託にも株価や為替の変動があれば、値下がりするわけです。そのことを理解して、初めて投資信託の売り時や買い時が分かるのではないでしょうか。
ブームに流されて投資信託を購入した人から、大きく値上がりした後、下落過程でファンドに与えるリスク要因が拡大しているにも関わらず、含み益が出ている時に売却できなかったという話をよく聞きます。こういった失敗をしないためにも、また投資信託を買って成功するために、まず目論見書を読むところから始めうということなのです。
目論見書はどう読めばいい?
さて、前置きが長くなってしまいましたが、実際に目論見書に何が書いてあるのか、説明していきたいと思います。(次ページへ続く)