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お上の言いなりになるな
「確定申告は税金を1円でも安くするためにある」

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2009/01/23 13:00

 お上の言いなりに税金を天引きされて黙っている、日本のサラリーマンは世界でも珍しい人種。まさに取り放題の税金を少しでも取り戻すために、確定申告を利用しよう。(バックナンバーはこちら)

確定申告はお上から税金を取り戻す唯一の手段

 前回、「無税の人」只野範男氏への疑問点をいろいろ指摘したところ、大きな反響がありました。「よくぞいってくれた」という肯定意見から、「税務署の味方はするな!」という反発まで頂き、所得税への関心の高さを再認識しました。

 やはり税金は1円でも安いほうがよいのは、われわれ庶民の本音です。そこで今回は、「サラリーマン法人化」とは少しテーマが逸れますが、そろそろ間近に迫った確定申告について解説していきたいと思います。

 まず、確定申告とはどんなものなのか? 基本的な考え方から紹介していきましょう。
 税金には、消費税や所得税、住民税、相続税などさまざまな種類がありますが、日本国民であるわれわれには納税の義務が課せられています。

 この中で所得税については、毎年1月1日から12月31日までに得たすべての所得を計算して、申告して納税することが定められています。この一連の手続きを確定申告と呼びます。

 前もって給与から「源泉徴収」という形式で税金を徴収されていたり、予定納税という形で前払いをしている場合もあるので、払い過ぎたり、あるいは払い足りなかったりすることもあるわけです。確定申告は、前もって払った分と本来払うべき税額を計算し、正しい金額との精算をするという意味もあるのです。

 通常、サラリーマンは、会社が各社員の所得税を計算して、毎月の給与からあらかじめ天引きする方式(源泉徴収)をとっていますが、年度内に完全に確定した金額を計算することは不可能です。そこで概算で給与から控除して、その精算を「年末調整」という形で行っているのです。

 ですから、通常サラリーマンは年末調整をすることで、1年間の所得と税額が決定するといってよいでしょう。しかし、サラリーマンでも確定申告できる場合や、しなければいけない場合があります。

若い世代は税金と保険料が負担超過になる

 では、確定申告が必要なのはどんな人でしょうか? 詳細に説明すると難しくなりますので、簡単に大まかに紹介しておきましょう。

1. 給与収入が2000万円を超える人
2. 不動産収入や配当収入、年金収入など副収入がある場合で、その副収入に対する所得が20万円を超える人
3. 2つ以上の会社から給与をもらっている人
4. 医療費控除・雑損控除緒を受ける人
5. 住宅ローン控除を初めて受ける人
6. 年の途中で退職して年末までに再就職できず、年末調整を受けられなかった人

 おおよそこんな人が確定申告の対象になります。逆に確定申告をしなくてよいのは、下記のような人です。

1. 会社員で、年末調整を受けて、確定申告による控除などが不必要な人
2. 専業主婦など所得がない人
3. 所得控除額の合計が所得額より多い人

 一般的に、サラリーマンにとって、確定申告はあまり身近なものではないかもしれません。しかし、税金を払い過ぎていても、税務署は連絡をくれません。逆に不足していると通知があるのに、不公平な感じがします。ですから、必ず払い過ぎていないか、控除し忘れているものはないか確認することです。

 ここでちょっとおもしろい、いや若い人たちには憤慨したくなるようなデータを紹介しておきましょう。政府の統計などに頻繁に登場する「世代会計」という概念があります。これは、現役世代や将来世代の負担を前提として成り立っている、公的年金制度や医療保険制度などの政府の経済活動を、世代間の損得勘定から評価するための概念です。

 つまり、どの世代が税金や保険料をどのくらい負担して、自分たちが受け取れる側になったときに、どのくらいのメリットがあるかを示すデータです。

 内閣府の試算によると、現在20歳未満の世代と今後生まれてくる世代は、一生のうちに1億5000万円以上の税金や保険料を支払うのに、政府から受け取れるサービスは1億1000万円足らずで、4600万円以上の負担超過になってしまいます。

 一方、60歳以上の世代は、4900万円以上の受益超過になるので、その差額は1億円近くになります。少子高齢化社会を迎えて、この数字はますます厳しくなることは予想できても、軽減されることはないのです。支えられる世代と支える世代の不公平さ。この矛盾した現実があるからこそ、余分な税金や保険料を払いすぎないようにしたいものです。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 高橋 節男(タカハシ セツオ)

    1949年生まれ。1984年に税理士登録をして、有限会社エムエムアイを設立。1988年に株式会社に変更して、税務・財務・経営にかんするコンサルティングを主な業務とする。
     税理士法人エムエムアイ、ちょうぼ倶楽部、楽天MMI-eshopなどのグループ会社の代表責任者としてエムエムアイグループを統括。個人の確定申告から中小企業の決算作業や経営のアドバイスなど、あらゆる顧客のニーズに応えている。
     また税金や経理について関心の高い人向けに、「Dailyコラム」を毎日、メールで配信中。税金や経理の知識だけでなく、年金問題など一般的な経済のキーワードもわかりやすく解説していると好評を博している。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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