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【ギョーカイ裏話】
アナリストの「推奨株」は買ってはいけない

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2009/01/31 09:00

 個別銘柄でいえば、経営者・有識者が挙げる「経営者が選ぶ有望銘柄ランキング」なるものもよく知られている。某経済紙が毎年年末に恒例で行う企画だが、これらが昨年どうなったか、これはもはや答える必要もないほど野暮な質問だろう。(バックナンバーはこちら)

あなたはまだアナリストの注目株を信じて買う?

 相場見通しほど大掛かりな予想ではないが、個人投資家に人気があるのは、いわゆる注目株というやつだ。ここで出番となるのは、証券会社のアナリストだろう。アナリストの世界であれば、アナリストランキングで名前が出るような方が世間的には大物という風潮がある。プロフィールの欄などに、『○○セクターで○年連続1位』などと書いてあれば、「機関投資家に評価された、さぞかし立派なアナリストなんだろうな」と思わされてしまう。

 ただ、ある機関投資家に聞いたところ、これには悲しい裏事情があるようだ。この有名なアナリストランキングというのは、ファンドマネージャー等が投票対象である。ただ、某国内系ファンドマネージャーは、「ここ数年は投票すらしていない」という。

 実際、順位付けの基準となる「獲得点」は、年々減少しているのだ。これは、個人情報保護法などが背景にあるそうで、投票できなくなった証券会社もあるためという。機関投資家ですら興味を失いつつあるランキングであり、もはや「上位ランカーは組織票集めが上手なアナリスト」なんて見方すらでる始末だ。

 そんなアナリストの銘柄推奨、これが当たっているかどうかも振り返る必要がある(これも大きなお世話だが・・・)。多くの証券会社がカバーしている大型株のうち、昨年大ブレイクした銘柄「ファーストリテイリング」と、昨年大暴落した「コマツ」の2社を対象に2008年の年始の段階で、主要証券会社がどう見ていたかを掘り返してみたい。

ファーストリテイリングの異彩高は予想外だった?

 まず、ファーストリテイリングについては昨年初め、メリルリンチ、JPモルガンが「強気」、その他の証券会社は「中立」(大和証券が「弱気」)といった見方だった。年末に一時14550円に達したファーストリテイリング株に対し、当時アナリストが予想した平均目標株価は8500円程度。

 ファーストリテイリングの異彩高は、アナリストにとって予想外だったようだ。ここでもう1つ触れておきたいことがある。ファーストリテイリングは3月後半から上昇相場に入ったが、上昇のピークを打ったのは昨年末である。

 しかし、当初強気派だったJPモルガンは4月に「中立」に引き下げし、メリルリンチは6月に二段階格下げして「弱気」とした。つまり、当初こそ当たっていた証券会社についても、彼らのレーティング変更に従ったとすればパフォーマンスは悪く、かつ、売り転換して空売りでも行ったものなら多大な損害を被っていた可能性が高いのだ。

 ちなみに、10月頃から、多くの証券会社(UBS、ゴールドマン、野村、大和)がこぞってレーティングを引き上げ始めた。8000円台の頃は割高といいながら、10000円の大台を越えた辺りで「ファーストリテイリングは割安!」と主張しているのである。こんなものなのだ・・・。

 では、次に暴落のコマツを見てみたい。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 真行寺(シンギョウジ)

    兜町の人脈拡大を真面目に行なっている。金融業界の裏事情に精通し、一部のファンから熱烈な信頼を受けている。

     

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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