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【推奨銘柄】トップストラテジストの提言
「最後の仕込み場、新春相場で注目の個別株」

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2009/01/16 20:35

【投資戦略】新春相場を斬る「2009年は2月・5月の調整場面が最後の仕込み場」

 新春にあたり、本年の株式マーケットを想定した場合、2月と5月に調整場面が訪れる見通しである。結論は、その調整場面が本年の数少ない下値での仕込み場であることを投資戦略として掲げたい。

 2月調整場面とする背景は、1月下旬から始まる第3四半期の業績実績の発表(1/30がピーク発表日)を受けて、「企業業績悪化の失望感」と「円相場の急騰(円高)」がマーケットにダブルパンチを浴びせる可能性が高いからだ。

 現時点の企業業績予想は、日経平均採用225社ベースの集計で今期通期予想はマイナス約36.3%、来期予想はプラス6.7%である。12月時点での予想が今期同マイナス28%・来期同プラス10.1%であったことから、大幅な下方修正の数値となった。わずか1ヶ月の間でこのような大幅な下方修正に見舞われたということは、企業経営者の心理がここ1ヶ月で急速に悪化したことが表れている。

 バリュエーション面で試算しても、2月株価の下値示現が割り出される。日経平均採用225社ベースの前期実績EPSは、892.95円であったことから、今回集計の36.3%減益で今期予想EPSを試算すると568.81円が算出され、PERのミッドレンジの15倍から起算すると8530円となる。現在株価はミンドレンジを下回り、下値を模索している状態であることが分かる。また、10月時の平均PERは13倍が下限値であったことから同PERから起算すると7390円が算定される。10月28の安値が6994円であったことから、ほぼ二番底形成の株価が算出されることになる。

 つまり、2月は業績発表による利益の下振れが散見され、業績下方修正に対してマーケットの失望感が働いた場合は、7400円近辺までの株価調整に見舞われることが想定されよう。そこにプラスアルファの「円高」というマイナス要因が加われば、10月安値(6994円)を下回る大幅調整も覚悟する必要があるということになる。

 円の動向については、とりわけ、過去の経験則で2月中旬からレパトリ(資金の本国送金)が始まり、例年、2月中旬から3月にかけては円高にブレやすい傾向がある。実際にこの傾向は07年も08年も同時期に円高にブレた経緯がある。

 次に、5月の調整場面とする背景については、本決算の発表が控えていることである。決算発表のピークは例年4月30と5月15日となるが、同決算発表時に2010年3月期の期初予想が要注意である。

 この本決算について企業が2010年3月期の通期予想を試算する時期は3月期末を〆て4月初頭である。4月初頭は2~3月の円高が経営者心理に作用していることから、かなり慎重な決算予想を試算することとなるだろう。よって、2010年3月期通期利益予想は現時点では6.7%の増益に転じることが予想されていても、ヘタをすれば09年3月期の36.3%減益に続いて、連続減益ともなりかねない。

 また、09年3月期の通期利益の減益率にしても、1-3月の急速な消費の落込みや輸出の低下、円高差損計上によって、現時点の36.3%減益がさらに拡大する可能性もある。
 株式マーケットはこれら連続減益予想や、09年3月期実績の減益率拡大を嫌気して、再び大幅調整に見舞われるという想定が立てられよう。

 ただし、この2月と5月の調整時が本年の最後の買い場となる可能性が高い。そのロジックは、1つは、米国のさまざまな施策が7-9月期以降に効き始めること、2つめは、為替動向では円高がピークを打ち、円安傾向に転じ始めること、これは円が安くなるというより、米国の景気回復の要因でドルが高くなるという色彩が濃い。

 加えて、再び新興国への資金流入(キャリートレード)が徐々に再開され始める可能性があり、円で資金を調達(円売り)して新興国通貨にマネーが向かい始めることも円安の要因として想定できるだろう。いかに新興国の金利が低下したとはいえ、日本の金利が再び0.1%と実質的にゼロ金利に戻ったことは、新興国と日本の金利差の絶対値は再び拡大傾向を辿るからだ。

 この1と2の要因により、米株や日本株は年後半からリ・スタートをきりはじめるだろう。これが、2月・5月の安値が本年最後の買い場となるということの所以である。


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著者プロフィール

  • 河合 達憲(カワイ タツノリ)

    カブドットコム証券 投資情報室 マーケット・ストラテジスト。マクロの視点からチャートまで幅広い視野を持つ。個別銘柄に関しても情報通として知られている。全マネー誌のアナリストを対象に『宝島』が調査した結果、推奨銘柄パフォーマンスでの年間成績が06年No.1、07年はNo.2と常に高パフォーマンスが評価されている。近著「日本のトップ企業が消える日」(角川SSC新書)も好評。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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