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天下のバラマキ政策の真実
定額給付金で「得する人」「損する人」

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2009/01/25 09:00

 自民党内では給付について、反対の意見や消極的な態度を取る議員もいるが、公明党の強い姿勢によって推し進められようとしているのだ。

 ではこれほどまでに定額給付金や地域振興券にこだわる、公明党の意図はどこにあるのだろうか。誰もがご存じの通り、公明党の主な支持基盤は創価学会である。全国には、約2000万人の創価学会員がおり、その世帯数は800万世帯ともいわれている。

 日本にはいろいろな宗教団体が存在するが、創価学会が他の団体と異なる大きな点はその規模の大きさだ。つまり、生活をしていく上でのすべての行為が学会員内の組織や団体、そして企業で完結できて、衣食住のすべての行為において、学会の中でお金を回していけるということだ。

 ということは、定額給付金や地域振興券を使う際にも、それらをかなりの割合で学会員の中で消費していくことが可能だ。各学会員のお店で消費された金額のうちの5%が、創価学会に寄付されたとしたら相当な金額が動くことになる。

 今回の定額給付金について概算してみると、65歳以下の夫婦と18歳未満の子ども2人の世帯では、6万4000円支給されることになっている。約800万世帯の創価学会員の世帯には、約5120億円もの金額が支給されることになるのだ。それを学会員内で消費して5%を寄付に回すとすると、なんと256億円が創価学会の懐に入ることになり、ここから公明党に選挙資金などで捻出されることになる可能性もあるのだ。

定額給付金が選挙資金に直結する?

 もし、そのうちの4分の1の64億円が選挙資金として拠出されるとすると、同党への政党助成金の約2年分以上になる計算だ。このように、創価学会員への定額給付金が、公明党の選挙資金に直結してしまうこともあり得るのだ。

 これなら、公明党が定額給付金や地域振興券政策を熱心に勧める姿勢にも納得がゆく。つまり定額給付金の原資たるわれわれの税金が、もし公明党の選挙資金や活動資金につながるのだとしたら、その関係者にとってはこんなにおいしい政策はないだろう。

 民主党の菅直人代表代行も、新年明け1月8日の衆議院予算委員会の質疑で 「(定額給付金は)公明党の選挙対策費だ。かつての(地域)振興券と同じように、自分たちが決めて皆さんにあげたんだ、その選挙対策だ」と指摘している。

 おそらく今回も政府与党によって、この天下の愚策が国会を通過して、見せかけの「庶民の味方」政策として支給され、これによって、麻生政権はますます国民の信を失い、漂流していくことになるだろう。
自民党内には、こんな声もある。

「定額給付金はあまり出来がよくない制度というのが、7~8割の自民党議員の心だが、総選挙で公明党のお世話になるから賛成する」(加藤紘一自民党元幹事長)と述べている(朝日新聞・2009年1月14日付社説より)。

 党利党略、私利私欲が渦巻く国会で、国民の血税の使い道が決定されるのは、何とも理不尽だが、これも日本人の民度の反映なのだろうか。

 最後に定額給付金に要する2兆円があれば、こんな有効な政策が行えるという実例をいくつかあげておきたい。

参考資料:朝日新聞2009年1月14日・週刊ダイヤモンド2004年8月7日号ほか

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著者プロフィール

  • 橘 尚人(タチバナ ナオト)

    大学卒業後、生命保険会社や投信会社などいくつかの金融機関を経て、現在、外資系投信会社でマーケットアナリストを務める。これまで金融商品の企画・設定から市場の分析に携わり、各方面で実績を積み、高い評価を受けている。一方、格差社会の問題にも関心高く、小泉構造改革の矛盾点を鋭い視点から分析する異色のアナリスト。著書に「石橋は渡るな!‐爆騰狙いのハイリターン投資入門」(光文社ペーパーバックス)がある。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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