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金融商品紹介 Vol.8
「債券」のメリットとデメリット

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2009/02/20 09:00

 株、FX、先物…などひと口に金融商品といってもたくさんの種類があり、それぞれ特徴があります。この連載では、「投資を始めたいけど、よく分からない」「金融商品について勉強したい」というマネー初心者に向けて、毎回、金融商品を紹介していきます。(バックナンバーはこちら)

今回紹介する金融商品は、「債券」

「債券」の基本紹介

「債券」と聞くと、難しいと感じる方も多いようですが、実は商品性としては皆さんに馴染みの深い定期預貯金に近いものがあります。

 基本的には一定の期間、一定の利率の利息を受け取り、期間が満了すると投資元本(※注)が戻ってきます。

※注

商品性によって異なりますが、ここでは額面100のものを販売時に100で購入するという一般的なタイプを前提としています。

 その仕組は簡単に言うと「借用証書」のようなもので、国であったり、企業であったり、資金を必要とするところが発行し、投資家はその借用証書と引き換えに「お金を貸す」ことになります。貸しているお金に対し、発行体は借用証書で約束された利息を支払い、満期がくればお金を返します。

 そうした原型を元に、外貨建てのものや、途中で利息を払わずに割り引いて売る割引債と呼ばれるもの、オプション等が組み入れられた仕組みのあるものなどさまざまなバリエーションがあります。また、発行体(債券を発行しているところ)が国なのか、地方団体なのか、企業なのかなどによって、信用度が異なってくることも注目ポイントです。

「債券」のメリットとデメリット

 上記のとおり、発行体、通貨、期間、仕組みなどさまざまな組み合わせがあり、その組み合わせにより魅力とリスクは異なってきます。種類が多いだけに難しいと思われる方が多いのかもしれませんね。組み合わせの中身を一つずつ見ていけば、分りやすくなってくると思います。その中身ですが、いずれの場合もリスクが大きいものほど、利率は高めになります。

発行体の違い

 発行体格付けにより、債券の利率は異なってきます。高格付け(AA~AAA格)のものは信用度が高く、市場の資金調達コストは低くなるため、債券の利率も低くなります。格付けが下がるほど、債券の利率は高くなる傾向があります。

 投機的とされるBBB格以下になると、利率はかなり高いものもありますが、発行体の破綻などで元本が戻ってこなくなるような可能性(信用リスク)も高まります。

通貨の違い

 通貨の違いはその国の金利水準の違い、つまり債券の利率の違いにも現れます。新興国は比較的金利水準が高いことが多く、高めの利率になることが多いです。また同じ高めの利率といっても、先進国で経済状況の良い国は利上げを行い、金利水準が高めになることもあり、その違いを理解することは大切です。

 ただし昨年以降、世界同時景気低迷を受け、各国が一斉に利下げを行っているため、どこの国の通貨建ての債券も軒並み以前より利率が下がってきています。こうした金利変動は債券の価格にも直接的に影響します。(金利変動リスク)

 また、外貨建ての場合、額面が確定していても、為替相場の変動により、利金や元本の受け取り金額が変わる為替リスクがあります。為替差益を得られる可能性がある反面、差損により投資元本を割り込む可能性がありますので、為替相場の動向、値動きの大きさなどにも注意が必要です。

満期までの期間の違い

 1年未満の超短期のものから、20年、30年といった超長期のものまで、非常にたくさんの種類があります。金利は一般的には期間が長くなるほど高くなるものですが、期間が長いということはその間の発行体リスクや金利変動リスクなど、リスクは大きくなります。

仕組みの違い

 100で購入して満期までの間に決まった利率のクーポン(利息)を受け取り、満期には100で戻ってくるといったタイプをストレート・タイプといいますが、それでも利払いの回数(毎月利払いや6ヶ月に一度の利払いなど)の違いなどがあります。また、満期までに途中でクーポンの受取がなく、その分当初販売金額を割り引く割引債(ゼロクーポン債)といったタイプもあります。

 満期までの間に発行体の都合での償還の可能性を条件や、為替相場や株式相場の動向によって満期の受取金額が変わるといった条件など、各種条件・条項がつくことで利率は高めになるものの、その分リスクが高めになるタイプもありますので、利率高めという魅力の後ろ側にどういうリスクがあるかを知ることが重要なポイントとなります。

 では次にポートフォリオを組むにあたって債券と相性の良い金融商品などをみてきましょう。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 廣澤知子(ヒロサワ トモコ)

    マネックス証券株式会社 シニア・フィナンシャル・アドバイザー
    慶應義塾大学経済学部卒。大学卒業後、シティバンク、N.A.東京支店に入行。国際金融本部にてエマージング・マーケット、金融法人向けの外国為替のセールスなどに従事。退社後CFP®資格を取得。独立系FP会社でFPとしてセミナー講師などの活動後、2005年マネックス・ユニバーシティの設立に参画。2008年マネックス証券株式会社に転籍。セミナー講師や執筆活動のほかメディアにも多数登場。
    ファイナンシャル・プランナ-(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、(社)日本証券アナリスト協会検定会員。
    近著『金利をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)は韓国でも翻訳出版。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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