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「日本の長期金利はこれから上がるのか?」
金利の知識をおさらいしながら考える

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2009/02/04 10:00

 今後日本の金利は上がっていくのだろうか? FXのスワップ取引を行う上で知っておきたい「金利の知識」を身につけながら今後の展望を占ってみたい。(バックナンバーはこちら)

FXのスワップ金利は一番期間の短い「オーバーナイト(翌日物)」という金利

 金利には長期金利と短期金利がある。通常では1年以内を短期金利、1年以上を長期金利と言う。ただ米国の債券では1年以内を短期債(BILL)、1年から10年を中期債(NOTE)、10以上30年を長期債(BOND)として区別している。

 FX (外国為替証拠金取引)で使われる金利は各国の短期金利であり、それも一番期間の短いオーバーナイト(翌日物)という金利だ。一晩だけ貸したり借りたりする金利であり、短期金利市場、あるいはコールと呼ばれる市場で取引される金利だ。この金利は各国中央銀行が金融政策執行の為に操作する公定歩合、オフィシャルキャシュレート、コールレ-トに連動する。

 一方長期金利は公定歩合の操作による短期金利の上昇低下によって基本的には動くところもあるが基本的には資金需給によって動く。長期金利は期間が長い為に短期期間での貸借よりはリスクが高いので短期金利よりは金利が高い。

 短期金利から長期へ向かうほど右肩上がりで金利が高くなっていく金利体系を「順イールドカーブ」と言う。逆に短期金利が高く長期に行くに従って金利が低下する右肩下がりの金利体系を逆イールドカーブという。現在日本は短期金利が日銀が誘導するコールレートの0.1%であり、10年物国債が1.2%台で順イールドカーブの国である。

よく聞く「FFレート」とは

「FFレート」とはFED FUNDS(フェッド・ファンド)レートのことで米国の代表的な短期金利のことだ。米国は一昨年までは日本のコールレートにあたるFFレートと長期債がほぼ同じレベルの4%程度でフラットイールドカーブと呼ばれていたが、現在は米国金融危機で米国の中央銀行にあたるFRBが連続で利下げを行いFFレートを0.25%にまで引き下げ長期債の2%や3%より低く、順イールドカーブとなっている。欧州も短期金利と長期金利の差はあまりないが順イールドカーブとなっている。

 一方オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの高金利通貨は短期金利より長期金利が低い逆イールドカーブとなっている。短期金利は各国中央銀行の政策である程度操作できるが長期金利は長期的な物価見通しと資金需要によって動くことが多いので中央銀行は大きな影響を与えることはできない。

 1980年代では長期金利が米国を初め先進国から途上国まで10%を超えることが多かったが、現在は長期金利が10%を超える国はほとんどない。現在10%を超える国は成長率が著しく高くインフレ懸念が強い国ではなくデフォルトしたりデフォルト懸念のある非常にリスクの高い国だけとなっている。エクアドル、ウクライナ、アルゼンチンなどの国である。

 南アフリカこそ短期金利は10%を越えているが長期金利は10%を割り込んでいる。インフレ率が10%を越える南アフリカでさえ長期的にはデフレ見通しがあり、長期資金需要も弱いからだ。

 世界の長期金利が低下しているのは短期ではインフレ傾向があっても(サブプライム問題発覚後は短期でもデフレ傾向、ディスインフレ傾向であるが)、長期的なインフレ見通しが弱かったこともある。また実際の長期的資金需要が弱くなっていることもあった。

 またテクニカルなことだがリスク管理が厳しくなって資金調達はリスクが高い長期金利市場より短期金利市場で調達することが多くなってきたことも一つの要因だろう。

今後日本の金利は上がっていくのか?

 さて世界的に長期金利が低下するなかで日本の長期金利が今後どう推移していくのだろうか。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 野村 雅道(ノムラ マサミチ)

    1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。1982年ニューヨーク支店にて国際投資業務、外貨資金業務、外国為替業務に携わる。1985年帰国後、本店にて外国為替チーフディーラーとして活躍。1987年ファーストシカゴ銀行へ転出、スイス銀行を経てBNPパリバ銀行外国為替部市場部長。東京外国為替市場の中心として活躍した。現在は、FX湘南投資グループ代表(FSIG)ならびに専修大学、中京大学講師。テレビ、ラジオ、新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。著書に『働かずに毎年1000万円稼げる私の「FX」超活用術 』(講談社+α新書)など。執筆中のブログ「ID為替研究所」「ID為替レポート」「野村雅道と楽しい投資仲間達」も人気。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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