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「ドバイ崩壊」報道に物申す 経済は活気を失ってはいない

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2009/02/14 09:00

 ドバイ経済が崩壊したという報道もされていますが、海外大手報道番組の記者によれば、「中東は世界経済危機の影響をあまり受けていない」という認識が一般的であり、バブル崩壊報道後もドバイの街並みは1年前と変わりません。(バックナンバーはこちら)

あの報道番組の映像を検証する

「石油がなくなったら、国家が破綻する」
「ショッピング・モールはガラガラ」
「街が失業者であふれている・・・」

 これはあるテレビ番組で報道されたドバイの報道です。日本でドバイがブームになったのは1~2年ほど前、「セレブの集まる都市」として煌びやかな様子が取り上げられましたが、最近では今までの発展を否定し、上記のような経済が崩壊したと印象付ける報道が目立ちます。

 ドバイは石油の埋蔵量が少ないため、将来石油が枯渇することを懸念し、石油に頼らない経済体制を確立しようと、早い段階から戦略的に計画を押し進めてきました。アラブ首長国連邦( UAE )は古くから海上貿易の中心地であり、地理的な優位性を生かした戦略が背景にあります。

 1970年代に水道や電力、通信などの社会基盤を整備し、80年代にはフリー・ゾーンと呼ばれる自由貿易地域を設立して世界中から外国企業を誘致し、商業都市へと成長しました。90年代以降は大規模なプロジェクトを実施して、世界有数の観光都市として名を広めました。

 UAEの原油埋蔵量は世界7位で、アブダビは石油が豊富ですが、ドバイを含めた6首長国はあまり石油が採れません。UAEは湾岸諸国の中でも石油依存度が低く、原油価格が1バレル23ドル以上であれば財政黒字を維持できると発表しています。

 世界的な経済危機が深刻化する中で、ドバイも例外ではありません。不動産価格が下落し、不動産業の従業員が解雇されるなど、不動産市場は大きな影響を受けています。しかし、2年ほど前から不動産市場は高騰が続き、いつか調整が入ると言われており、かつての日本のバブル時のようにいつまでも上昇が続くと考えられていたのではなく、今回の急落は以前から予測されていたものです。

 不動産コンサルティング会社Colliers Internationalによると、ドバイの08年第4四半期の不動産価格は前期比8%減、アパートメントの価格は11%減、Villaの価格は3%減、都市住宅の価格は1%増となりました。08年第4四半期の居住用住宅の平均価格は19,053AED/㎡となり、前期の20,656AED/㎡から減少しました(AEDはUAE通貨「ディルハム」の略称)。

 2008年第4四半期のアパートメントの平均価格は20,807AED/㎡であり、2008年3月の水準まで下落しました。ジュメイラ・ビーチ・レジデンス、ダウンタウン・ブルジュ・ドバイ、パーム・ジュメイラの不動産価格の下落が著しいと伝えられています。また、2008年第4四半期のVillaの平均価格は17,298AED/㎡で、2008年7月の水準まで下落しました。2008年第4四半期の都市住宅の平均価格は15,802AED/㎡であり、2008年第3四半期と同水準です。

ブルジュ・ドバイは工事続行、ナキール・タワーは1年延期

 現在のドバイの建設工事の状況は、工事着工前のプロジェクトに関しては見直しが行われ、すでに着工しているものは工事が継続して行われています。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 内藤 美穂(ナイトウ ミホ)

    1984年生まれ。株式会社ガジェットウェア代表取締役兼CEO。大学在学中にガジェットウェアを設立。日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009」キャリアクリエイト部門10位受賞。外資系投資銀行やベンチャーキャピタルとのパイプを持つ。学生時代より投資家としてTV、新聞、雑誌など各メディアに取り上げられる。18歳の頃にeワラント取引を始めたのをきっかけに、日本株、中国株、FXなどを取引する。現在、投資関連事業の一環として「ドバイ株ドットコム」でドバイ株口座開設サービスを提供している。
    Miho Naito CEO blog」でブログを更新中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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